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業績ニュース

純現金収支が赤字に JR東は初、西は3年ぶり
固定費負担重く、資金調達急ぐ

2020/4/30 20:30
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新型コロナウイルスの感染拡大がJR東日本などの資金繰りを圧迫している。30日出そろったJR主要3社の2020年3月期通期の連結決算では、外出自粛による鉄道利用急減が響き、JR東では純現金収支(フリーキャッシュフロー、FCF)が初めて赤字に陥った。JR西日本は17年3月期以来3年ぶりの赤字。鉄道は固定費負担も大きく、各社は資金調達を急ぐ。

「かつて経験したことのない財務環境を覚悟している」。同日開いた20年3月期の決算発表記者会見で、JR西の倉坂昇治取締役はこう話した。

FCFは本業などで稼いだ現金を示す営業キャッシュフロー(営業CF)から、設備投資などに使った投資キャッシュフロー(投資CF)を引いて求める。株主還元などの原資ともなるため、市場の関心も大きい。

JR3社は従来、日々の鉄道収入を背景に安定的に営業CFを稼いできた。景気変動にも比較的強く、これまでFCFが赤字になったのはJR西が3回、JR東海が2回しかない。JR東に至っては連結キャッシュフローの公開を始めた00年3月期以来、一度もないことが今回の事態の異例さを物語る。

JR西のFCFは285億円の赤字(前の期は423億円の黒字)。赤字は不動産会社の買収で投資CFが膨らんだ17年3月期以来3年ぶり。鉄道利用の減少で営業CFは2401億円と前の期から17%減った。投資CFの支出超は9%増の2686億円で、差し引きでマイナスとなった。

JR東はFCFで1529億円の赤字(前の期は693億円の黒字)を計上した。19年は営業区域を襲った大型台風の影響もあり営業CFは17%減の5486億円。逆に品川再開発など不動産関連の案件によって投資CFは18%増の7016億円の支出超だった。

FCFの悪化を受け、JR東とJR西は資金調達を本格化している。JR東は3月後半から4月にかけて社債とコマーシャルペーパー(CP)で総額3650億円を、JR西もCPで1000億円を調達。JR西は今後も融資枠拡大を金融機関と協議する。

コロナ禍の先行きは依然不透明。FCFを少しでも改善させるうえで、投資計画の見直しは避けられない。JR西の倉坂取締役は「必要性やスケジュールを改めて検証する」と強調した。

一方、JR東海はFCFで427億円の黒字を確保。1%減となる5952億円の営業CFを稼いだ。投資CFの支出超は8%減った。金子慎社長は「現在のところ手元資金は確保しているが、状況に応じて機動的に対応していく」との姿勢を示した。

コロナ禍の影響は収益面でも鮮明となっている。20年1~3月期にはJR西は最終損益が277億円の赤字(前年同期は49億円の黒字)。JR東は530億円の赤字、JR東海は97億円の黒字だった。

JR東海は鉄道収入に占める新幹線の比率が9割超と、JR東(3割)やJR西(5割)よりも高く、出張や観光の自粛で地域をまたぐ人の移動が絶たれると減収にはなりやすい。だが新幹線は在来線より好採算で、減収による影響を緩和しやすいとみられる。

3社とも21年3月期の業績予想は未定とした。各社とも足元では新幹線や特急の利用が9割程度減っている。在来線の落ち込みも踏まえると、この状況が続けば、1~3月期よりも収益が悪化する懸念がある。しばらくは守りの財務を強いられそうだ。

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