宝交通、飲食店の宅配サービス　タクシーで配達

新型コロナウイルスの影響で身動きの取れない消費者と飲食店の接点に――。名古屋市を中心に約450台のタクシーを運行している宝交通は、同市内で飲食店の持ち帰り料理をタクシーで運ぶサービスを始めた。注文を受けた飲食店が宝交通に宅配を頼み、タクシーが配送を代行する。同社グループで運営する和食やイタリアンの2店舗から展開し、30日時点で希望する約20店にサービスが広がっている。

配達エリアは店舗から6キロ圏内とする。運賃は原則として1件あたり税込み1000円。飲食店側が自ら負担するか、利用者にどの程度転嫁するかの割合を決める。

国土交通省が新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発効した、タクシー事業者が貨物を配送できるようにした特例措置を活用する。宝交通は4月24日に中部運輸局から許可を得た。特例措置は5月13日までだが「延長された場合はサービスを続ける」という。

政府と愛知県の緊急事態宣言で外出自粛が広がるなか、食品宅配の需要増を取り混み、タクシーの稼働を下支えする。