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業績ニュース

川内原発停止、影響額250億円 九州電力の21年3月期

2020/4/30 18:09
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九州電力は30日、川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の長期停止が、2021年3月期で約250億円の利益圧迫要因になるとの見通しを明らかにした。通期業績と配当の予想は新型コロナウイルスの感染拡大による影響が算定できないとして「未定」とした。20年3月期は、最終損益が5期ぶりに赤字に転落しており、経営再建への逆風が一段と強まっている。

マスク姿で決算会見に臨む池辺社長(4月30日、福岡市)

マスク姿で決算会見に臨む池辺社長(4月30日、福岡市)

池辺和弘社長は今期業績について「川内原発の停止に耐え、なんとか頑張って配当ができるようにしていきたい」と話した。

川内原発は対テロ施設「特定重大事故等対処施設(特重)」の完成遅れで1号機が3月に稼働を停止し、2号機も5月に止まる見通しだ。停止期間は8~9カ月と長期にわたる。池辺社長は2基合計で今期は約250億円の営業利益の下押し要因になるとの試算を示した。ただ、新型コロナの影響で電力需要が減少すれば、影響額も変動する。

今期は川内原発の停止による減益要因がある一方、減価償却方法を「定率」から「定額」へ変更した影響で約580億円分の費用が減少する。新型コロナに関し、足元の電力販売量は「悲劇的に落ちてはいない」(池辺社長)が、今後の影響については見通せないとした。4月の消費電力は検針時期の問題などで詳細の把握が難しく「細かな分析はできていないのが実情」(同)という。

政府の緊急事態宣言の延長方針について池辺社長は「経済にマイナスの影響があるのは間違いないが、それより大事なのは人の命」と述べ、やむを得ないとの考えを示した。延長されれば、自社で実施している在宅勤務なども「今まで通り続けていく」と話した。

玄海原発(佐賀県玄海町)での特重工事に関わっていた作業員が新型コロナに感染した問題では、関係者の2週間の待機期間を経て24日から工事を再開した。一部大手ゼネコンで工事中止の動きが出ているが、川内原発については「現在も工事をしている」(豊嶋直幸取締役)という。

20年3月期の連結業績は、売上高が微減の2兆130億円、最終損益が4億円の赤字だった。情報通信事業などは堅調だったが、冷夏・暖冬の影響による電力販売の伸び悩みが響いた。川内原発の長期停止や新型コロナによる景気悪化を織り込み、将来の収益見通しを引き下げて繰り延べ税金資産を一部取り崩した結果、税負担も増えた。

経常利益は24%減の400億円だった。火力発電用に調達している液化天然ガス(LNG)の転売に伴う損失、181億円の計上などが響いた。池辺社長は「今後LNGの余剰対策を進めていく」とした。

30日は役員人事も発表した。藤井一郎、豊馬誠両取締役が副社長に昇格する。佐々木有三副社長と渡辺義朗副社長は退任する。6月26日の株主総会後の取締役会で正式決定する。(山田和馬)

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