ロシアの感染者10万人超に 段階的な外出緩和探る

2020/4/30 17:57
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プーチン氏は地方首長らとのテレビ会議で外出制限の緩和にむけた計画をまとめるように指示した(28日、モスクワ郊外)=ロイター

プーチン氏は地方首長らとのテレビ会議で外出制限の緩和にむけた計画をまとめるように指示した(28日、モスクワ郊外)=ロイター

【モスクワ=小川知世】ロシアで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。感染者数は中国やイランを上回り、30日に10万人を超えた。3月末から続く外出制限で経済への打撃も深まり、5月半ば以降の外出制限の緩和を探る。緩和を急げば感染拡大を招きかねないジレンマに直面し、国民の不満増幅を避けたいプーチン政権は正念場を迎えている。

「感染拡大との闘いの最も厳しい段階にある」。プーチン大統領は28日に開いた地方首長らとのテレビ会議で語った。冒頭で同氏は人工呼吸器の増産や病床の増設などを列挙して成果を強調した。30日までとしていた外出制限を5月11日まで延長する一方で、同日以降の段階的な制限緩和に向けた計画をまとめるように各地方に指示した。

ロシアの感染者は30日までに10万6498人と前日比で最も多い約7000人増加した。1日から38倍となり、外出制限下でも収束に向かう兆しはない。死者は1073人。政府は積極的な検査が増加の一因とするが、モスクワでは病院に救急車の列が延びる様子が伝えられ、軍や北極圏の建設現場など医療が脆弱な地方でも感染者が急増している。

増加が続くなかで制限緩和の検討を始めた背景には生活難への不満が膨らむことへの警戒がありそうだ。プーチン氏は3月末から全土を「非労働期間」とし、国民は外出禁止や収入減を迫られた。南部では4月20日、外出禁止の撤回を求める抗議デモが起きた。オンライン上で地図にコメントを書き込むサービスを使い、雇用対策などを訴える異例の抗議も発生した。

低成長が続いていた経済は外出制限と原油安で苦境を深めている。ロシア中銀は24日、2020年の実質国内総生産(GDP)成長率の予測を1.5~2%からマイナス4~6%へ大幅に下方修正した。モスクワでは小規模店の営業や建設事業の再開などの緩和策が検討されているという。

プーチン氏は連日のように閣僚らとのテレビ会議で経済対策などを指示し、指導力をアピールしてきた。新型コロナ収束後には同氏の5選を可能にする憲法改正法案の全国投票を控える。圧倒的な賛成票を得て改憲を成立させたい政権にとって、新型コロナは予想以上の逆風となっている。

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