在宅勤務中の詐欺メール、10万円給付金でも注意呼びかけ

2020/4/30 18:08 (2020/4/30 20:54更新)
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警視庁はツイッターで在宅勤務中のサイバー攻撃への警戒を呼びかけている

警視庁はツイッターで在宅勤務中のサイバー攻撃への警戒を呼びかけている

新型コロナウイルス対策として外出自粛が広がる中、在宅を狙ったとみられる詐欺メールが目立つ。ネット通販などをかたる偽メールが多い。在宅ではサイバー攻撃へのセキュリティーも弱くなりがちで、周囲にすぐ相談できないため不審メールを開いてしまい、ウイルス感染などの恐れも増す。警察は「10万円給付」を巡る偽メールにも警戒を呼びかけている。

「新しいデバイスからサインインしましたか?」。ネット通販大手を装う1通のメール。記載のURLを開くと実在の通販サイトによく似たページに移動し、クレジットカード番号や暗証番号を要求される。情報を抜き取るためのフィッシング詐欺の手口で、4月に入って監視団体のフィッシング対策協議会に報告された事例の一つだ。

同協議会によると、新型コロナの感染拡大が問題化した今年2月ごろから、こうしたネット通販会社を装う偽メールが急増している。担当者は「在宅でネット通販を利用する人が増える状況を犯罪集団が狙っているのではないか」とみている。協議会へのフィッシングの報告は、3月は9671件で2月から2041件増加した。

業務に関する詐欺メールにも注意が必要だ。警視庁サイバーセキュリティ対策本部の岩下英一管理官は「在宅勤務では上司など周囲に確認が取りづらくなるため、会社の資金や情報を狙う手口の標的になりやすい」と指摘する。

同本部によると、特に懸念されるのはビジネスメール詐欺の被害という。ビジネスメール詐欺は取引先や上司を装ってメールを送信し、経理担当社員らをだまして指定口座に現金を送金させる手法を指す。在宅勤務に伴って上司や取引先などと連絡する機会が減ると、偽メールにだまされやすくなる。

在宅ではメール以外のサイバー攻撃の脅威も増す。私用のパソコンの基本ソフト(OS)やウイルス対策ソフトが古かったり、自宅のルーターや喫茶店などのフリーWi-Fiを使ったりすると、不正アクセスを受けて情報を盗まれやすい。警視庁はこうした注意点をツイッターやホームページで紹介している。

日本テレワーク協会(東京・千代田)によると、新型コロナによる外出自粛要請を受け、中小企業でも急きょテレワークを導入する動きが広がる。サイバーセキュリティーに詳しい北條孝佳弁護士は「テレワーク時のセキュリティー対策が不十分な企業が急きょ導入すると、サイバー攻撃の標的になりやすいので警戒が必要だ」と指摘する。

米セキュリティー大手のマカフィーが3月中旬にまとめた調査によると、新型コロナに関連した全世界のサイバー攻撃のうち、9%が日本を標的にしたものだった。フィッシングメールやマルウエア(悪意のあるソフトウエア)によるサイバー攻撃が確認されている。標的のトップは17%のドイツと台湾だった。

同社日本法人の担当者は「日本は世界の中で比較的早く新型コロナの感染が確認されたため、攻撃対象とされたのではないか」とみている。

在宅勤務を狙ったサイバー攻撃は新型コロナの感染拡大前から増えている。警察庁によると、2019年に確認されたサイバー攻撃とみられる不審なアクセスは1日あたり4192件で過去最多だった。在宅勤務で使用されるパソコンの遠隔操作サービスへの不審アクセスが目立つという。

一方、政府が実施する全国民への一律10万円給付を巡っても偽メールが確認されている。

愛知県警によると、名古屋市の住民には「給付金10万円配布につき、お客様の所在確認」というメールがあった。「携帯電話会社を通じて給付金を配布することになった」とした上で、記載したURLで手続きするよう求める内容。県警は「絶対にアクセスせず、不審なメールが届いたら家族や警察に相談してほしい」としている。

総務省はホームページなどで「市区町村や総務省が現金自動預払機(ATM)の操作をお願いしたり、給付のために手数料の振り込みを求めたりすることは絶対にない」と呼びかけている。

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