テスラCEO「21年に年産能力100万台超」コロナでも強気

2020/4/30 10:31
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【シリコンバレー=白石武志】米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は29日、2021年中に同社の電気自動車(EV)の年間生産能力が100万台を超える見通しを示した。米中の既存工場を増強し、21年には欧州でもEV生産を始める。世界の自動車市場に新型コロナウイルスの打撃が広がる中、あえて投資を続けることでEV市場における足場を固める狙いだ。

20年1月に主力小型車「モデル3」の納車を始めた中国・上海市のテスラ工場=ロイター

29日に開いた20年1~3月期決算の電話会見で表明した。マスク氏は「他の多くの企業が投資を削減しているが、我々は逆を行く」と強調。「来年には北米と中国、欧州で年間100万台を超える大規模な工場を持つ真のグローバルメーカーになることを本当に楽しみにしている」と述べた。

テスラは03年の設立で、08年に初のEV「ロードスター」の販売を始めて自動車市場に参入した。10年には米ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車が合弁生産していた米カリフォルニア州内の工場を買い取り、17年から主力小型車「モデル3」の生産を開始。米国のEV市場では足元で5割を超えるシェアを握り、20年3月にはEVの累計生産台数が100万台を突破していた。

テスラの現在のEVの生産能力は世界全体で年69万台で、内訳はカリフォルニア州の工場が年産49万台、中国・上海市の工場が年産20万台。21年にはドイツのベルリン郊外に建設する新工場でもEVの生産を始める。カリフォルニア州の工場は新型コロナの影響で操業を一時停止しているが、マスク氏は「可能になり次第、フルスピードで生産能力の拡張を続ける」と強調した。

テスラはモデル3と同車種をベースに開発した多目的スポーツ車(SUV)「モデルY」など既存4車種のほかに、ピックアップトラック型のEV「サイバートラック」などを発売する計画を示している。マスク氏は今後1~3カ月以内に米国で新たな工場の建設計画を発表する見通しであることも明らかにした。

テスラは20年1~3月期中に23億ドル(約2400億円)規模の公募増資を実施しており、3月末時点の現金および現金同等物の残高は80億8千万ドルと3カ月前に比べ29%増えた。テスラは新型車の開発や生産能力の拡張に必要な資金については「十分な流動性がある」としている。

テスラが同日発表した20年1~3月期決算は売上高が前年同期比32%増の59億8500万ドル、最終損益が1600万ドルの黒字(前年同期は7億200万ドルの赤字)だった。最終損益がアナリストらの赤字予想を覆して3四半期連続の黒字を確保したことから、29日の時間外取引でテスラ株は終値に比べ一時10%高を付けた。

新型コロナの感染拡大を防ぐためカリフォルニア州政府は現在も州内全域で外出制限を続けており、テスラの工場も3月下旬から操業を止めている。マスク氏はかねて外出制限に否定的な見解を示しており、29日の電話会見でも当局の取り締まりについて「ファシストのものであり、民主的ではない」と批判した。同社はサプライチェーンが元通りに戻るまでの時間を予測することは困難だとしつつも、50万台超とする20年の年間販売目標は据え置いた。

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