米、無制限の量的緩和維持 FRB議長は追加策を検討

2020/4/30 3:02 (2020/4/30 7:33更新)
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国債などを制限なく購入する量的緩和政策などの維持を決めた。会合後に記者会見したパウエル議長は「経済の大部分が停止し、4~6月期は過去例のないマイナス成長になる」と指摘。経済復元に向けて「必要な措置をさらに執るだろう」と追加策を検討する考えを強調した。

29日のFOMCでは、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%のまま据え置き、ゼロ金利政策を維持した。パウエル議長は「雇用の最大化が実現する軌道に乗るまでは、政策金利を据え置く」と明言。当面はゼロ金利を維持する考えを強調した。

FRBは3月15日に臨時のFOMCを開き、量的緩和とゼロ金利の復活を決めた。同23日にも臨時会合を開いて、7000億ドルとしていた量的緩和の目標量を撤廃。その後は「必要とされる量」と事実上、無制限に切り替えていた。29日の会合でも「円滑な市場機能を支えるため、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)などの購入を継続する」と量的緩和政策の維持を決めた。

パウエル議長は新型コロナに対して「人類と経済に多大な苦難を与えている」と異例の表現で懸念を表明した。1~3月期の米経済は11年ぶりの大幅なマイナス成長に落ち込み、同議長は「4月の失業率は2桁に急上昇するだろう」と指摘した。政策面でも「あらゆる範囲の手段を使う」と述べ、追加策をさらに検討する考えを強調した。

追加策の柱は企業向けの資金供給の拡大だ。FRBは3月中旬以降、社債やコマーシャルペーパー(CP)を購入する異例の資金供給策を発動した。買い入れ量はCPが最大1兆ドル、社債は同7500億ドルと大きいが、さらに資金枠や対象資産の拡大を検討する。パウエル氏は「資金供給がなければ、企業が事業の縮小・閉鎖に追い込まれ、負の連鎖が強まる懸念がある」と主張した。

4~6月期の経済成長率は年率換算でマイナス40%もの落ち込みが予想され、景気のV字回復は一段と難しくなっている。パウエル議長は「今は財政悪化を懸念する時ではない」と述べ、米連邦政府にも追加の財政出動を促した。トランプ政権はインフラ投資などさらなる経済対策の検討に着手しており、財政・金融政策はフル稼働が続く。

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