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仏も外出制限緩和、欧州製造業の再開広がる

コロナ「第2波」懸念も

【パリ=白石透冴、フランクフルト=深尾幸生】欧州で新型コロナウイルス対策のため制限していた経済活動を再開する動きが相次いでいる。フランスは28日、外出制限の緩和計画を発表し、5月11日から飲食店などを除く店舗の営業を認める。自動車大手なども生産再開に動く。ドイツやイタリアも制限を緩和しており、欧州の製造業は再出発の局面に入ったが、感染「第2波」の懸念もくすぶっている。

フィリップ仏首相は28日、「外出制限をいつまでも続けることはできない。ウイルスとの共存を学ばなければいけない」と語った。フランスで新型コロナの集中治療を受ける人は8日に約7100人と最悪を記録したが、その後20日以上減り続けたのが制限緩和の背景にある。28日には約4300人まで減った。

外出制限の緩和計画を発表したフィリップ仏首相(28日、パリ)=ロイター

これで欧州連合(EU)の経済規模上位4カ国の独仏、スペイン、イタリアが全て制限緩和を発表した。フランスは3月17日から薬局や食料品店などに限り営業を認めてきたが、ほぼ全業種で再開させる。レストランやカフェにも認めるかは6月2日以降に決める。

仏製造業も続々と動き出した。自動車大手ルノーはパリ近郊のフラン工場をマスクや消毒用ジェルを用意したうえで28日に再開した。グループPSAも東部のソショー工場再開に向け労働組合と話し合っている。

高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)や「グッチ」を持つケリングなども仏国内の店舗を再開する見通しだ。

15日に緩和を発表したドイツでは主要産業の生産再開が本格化している。独フォルクスワーゲン(VW)は20日以降、3月中旬から止めていた欧州の完成車工場の生産を再開。27日には欧州最大のウォルフスブルク工場を稼働させ、まず週1400台の生産を目指す。

独ダイムラーも20日からエンジンを手始めに順次生産を始めた。独ボッシュなどの部品会社や独ティッセン・クルップなど素材大手も徐々に操業を戻し始めた。

イタリア政府は5月4日に製造業の再開を認める。一足早く欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は当局の許可を得て、27日から伊中部の商用バンの工場などで操業を始めた。伊高級ブランド、ヴァレンティノも皮革製品などの試作品をつくる工場を再稼働させた。

スペインも13日に製造業などの再開を認めており、日産自動車はバルセロナ工場を5月4日に再稼働させると発表した。

国際通貨基金(IMF)によるとユーロ圏の2020年の実質成長率は前年比マイナス7.5%の見通し。新型コロナの打撃は大きく、産業を再開し早く経済を立て直したいとの思惑も各国で働いた。オーストリアやギリシャなども外出制限緩和の方針を発表済みだ。

一方、産業再開で人の動きが活発になり欧州で感染が再拡大する恐れもある。フィリップ首相は28日「第2波が起こる危険を真剣に考えなければいけない」と語った。仏国民で新型コロナに感染したのは6%未満との推計もあり、免疫のない人が圧倒的多数とみられる。

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