東京ムーブメント

フォローする

五輪準備、新型コロナで高い壁 会場調整などで足踏み

2020/4/29 15:12 (2020/4/30 6:29更新)
保存
共有
印刷
その他

東京五輪とパラリンピックのエンブレム(東京都千代田区)

東京五輪とパラリンピックのエンブレム(東京都千代田区)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2021年夏に開催が延期された東京五輪・パラリンピックの準備が足踏みしている。大会運営を担う職員の多くは在宅勤務となり、仕切り直しとなった競技会場の確保などの調整が思うようにはかどらない。延期の原因になったコロナ禍だが、その収束は遠い。選手や関係者からは開催の前提としてワクチン開発を求める声も上がる。

「ようやく会場のキャンセル料や再契約の交渉を本格的に始められると思っていたら、テレワークが壁になり、思うように進んでいない」。会場確保などを担当する大会関係者の一人はため息をつく。

政府の緊急事態宣言を踏まえ、大会運営の中心となる大会組織委員会は職員約3800人のうち、9割以上が在宅勤務をしている。出勤する職員がほとんどいない部門もあるという。感染爆発を防ぐため「ステイホーム(家にいて)」と呼びかける東京都も、多くの職員が在宅勤務に切り替えている。

開催延期が決まって以降、組織委や都は会場の再確保へ、競技会場の4割を占める都外の会場を含めて所有者らと折衝を進める。だが、ある大会関係者は「外出自粛を求められる中で県境をまたいでの移動はしづらい」と話す。テレビ電話やメールを使って書類の確認や会議を行うが「対面であっても難しい交渉なので、電話などで済むかというとそうもいかない」と頭を抱える。

選手らを自治体が受け入れる「ホストタウン」関連の担当者も「作業はすべて滞っている」と明かす。選手の宿泊先や練習会場の視察も全てストップしているという。「交流や触れあいがメインとなる事業なので、新型コロナが収束しないと何も進められない」とため息をつく。

大会の開催経費の分担も調整はこれからだ。3千億円程度とされる延期費用について、組織委、都、国、国際オリンピック委員会(IOC)との間での詰めの議論は進んでいない。

IOCは20日、公式サイトに「安倍晋三首相が現行の契約条件に沿って引き続き日本が負担することに同意した」との見解を突如掲載。IOCの負担額は「数億ドル(数百億円)」と明記し、日本側が大部分を負担する姿勢を示したが、「適切ではない」とする組織委の申し入れを受け、削除した経緯がある。

組織委内では経費削減の一環として、五輪とパラリンピック合同での開閉会式の開催案も浮上している。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは28日、感染拡大で状況が大きく変わったとして「内容や演出をはじめ、見直さなければならないところは出てくる」と記者団の取材に話した。

肝心の感染の収束は見通せない。延期後の大会は「21年春開催」の案も検討されたが、収束までの期間を長く見ることも念頭に夏開催となった。それまでに日本国内で感染が抑えられたとしても、世界で拡大が続いていれば選手らの感染リスクはなくならない。

五輪とパラの参加予定選手からは、ワクチン開発を開催の前提とするよう求める声も上がっている。日本医師会の横倉義武会長も28日、私見として「有効なワクチンが開発されないと、開催するのは難しいのではないか」と指摘した。

東京ムーブメントをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

東京ムーブメント 一覧

フォローする
9月末で営業を終了する「ホテルオークラ東京 別館」(東京・港)

 ホテルオークラは25日、運営する「ホテルオークラ東京 別館」(東京・港)の営業を9月末で終了すると発表した。ホテルの営業は隣接し、2019年9月に開業した「オークラ東京」(同、旧ホテルオークラ東京) …続き (9/25)

 記者会見で在任期間を振り返るスポーツ庁の鈴木長官(東京・霞が関)=共同共同

 9月30日で退任するスポーツ庁の鈴木大地長官が25日、東京都内で最後の定例記者会見を行った。「スポーツ関係者の長年の夢だったスポーツ庁を、いいかたちで前進させていくことが務めだった。スポーツの価値を …続き (9/25)

リモート参加であいさつするIOCのバッハ会長(奥)と出席した(左から)東京五輪・パラリンピック組織委の森会長と小池都知事(24日、東京都中央区)

 2021年夏に延期された東京五輪を巡り、大会準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会と大会組織委員会の会議が24日、2日間の日程で始まった。IOCのバッハ会長は「やり遂げられると …続き (9/24)

ハイライト・スポーツ

[PR]