東海道新幹線降りた客に検温 名古屋駅で、連休期間中

愛知県と名古屋市は29日、JR名古屋駅の新幹線改札口で新型コロナウイルスの感染拡大防止を呼びかける啓発活動を始めた。東海道新幹線の乗客に任意で検温を実施して健康チェックの重要性を意識づけたほか、駅の利用者へ不要不急の外出自粛や「3つの密(密閉、密集、密接)」を避けるよう呼びかけた。
政府が出した緊急事態宣言の期限である5月6日まで、毎日午前11時から正午までの1時間実施する。
29日は県と市の職員約20人がフェースシールドやかっぱを着用して参加。外出自粛を促すチラシを通行人らに約140枚配り、新幹線で名古屋駅に降りた46人に検温を実施した。同日は発熱者はいなかったが、37.5度以上あった場合は相談窓口の連絡先を伝える。
福岡市から転勤のため名古屋駅に降り立った男性会社員(28)は「引っ越しがなければ移動しなかった。平熱で安心した」とほっとした様子。母親の介護のため滞在していた大阪府から戻った名古屋市の女性(59)は「どこで感染するか分からないので検温は必要なことだ」と話した。

東海道新幹線をはじめ、29日の全国の交通機関は例年のような混雑は見られなかった。各地の新幹線の予約は上り、下りとも極めて低調で、一部は自由席の乗車率が0%となった。空の便も同様で、高速道路も激しい渋滞はない見通しだ。
JR東日本などによると、JRがゴールデンウイーク期間とする24日以降連日、東北新幹線などで0%の列車が出ている。29日は、東北・山形新幹線つばさ123号やつばさ127号、北陸新幹線はくたか553号などで、東京駅出発時の自由席乗車率が0%だった。東海道新幹線も10%以下が相次いだ。