シマノ、業績予想取り下げ 設備投資や人員の削減せず
28日に2020年1~3月期連結決算を発表したシマノは、20年12月期通期の業績予想を取り下げた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で先行きが不透明なためだ。ただ主力の自転車部品の生産体制は回復しつつあり、財務体質も依然強い。設備投資や人員の削減などのリストラはせず、「コロナ終息後の需要急増にはしっかり対応する」(同社)構えだ。
1~3月期の自転車部品の売り上げは前年同期比15%減の588億円。107億円の減少だが、うち3月から感染が急拡大したコロナの影響は2割程度という。釣り具は微減収ながら、部門別営業利益が微増だった。
自転車部品の生産体制は、一時従業員が自宅などに待機していた中国での操業が回復。シンガポール、マレーシア、インドネシアでは出勤規制で部分的な操業が続くが、減少した需要と釣り合っている状態という。
需要面では各国の外出規制やサイクリング関連のイベント中止が響く。ただ完成車のネット販売もあり、4月の需要も半減までは落ちていない模様だ。
3月末の自己資本比率は91%と財務的に体力があり、資金繰りに不安はない。20年度の設備投資計画も前期比17%増の300億円を変えていない。「研究棟の建設など増産目的でないので圧縮する必要はない」(同社)という。現時点では身を縮めず、自然体で需要回復に備えている。
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