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マツダ 3月の世界販売33%減、欧米で4~5割減

CX-30などの新型車があったものの、19年度の販売はマイナスとなった

マツダが28日発表した3月の世界販売台数は前年同月比33%減の10万3416台だった。新型コロナウイルスの影響で欧米での販売が4~5割減った。2019年度の販売は前年度比9%減の141万台となり、5年ぶりに150万台を下回った。同社は工場休止などの生産調整を5月末まで続ける予定で、世界の需要回復が遅れれば傷はさらに深くなる。

単月の販売台数が33%減るのは、開示を始めた04年以降で最大という。欧州は54%、米国は42%減った。外出制限などが広がり、欧米では7割の販売店が休業した。

中国販売は28%のマイナスだった。コロナによる需要減が直撃した2月(79%減)からは回復した。サプライチェーンの混乱などがあった生産も27%減となり、2月(91%減)から上向いた。

小型車「マツダ3」や多目的スポーツ車(SUV)「CX-30」など新型車効果を追い風に、マツダはもともと19年度の販売見通しを161万台としていた。しかし米中摩擦による景気悪化で中国の販売が減ったことなどから、段階的に150万台に引き下げてきた。さらにコロナが重なり、最終的な実績は引き下げ後の予想にも8万台以上及ばなかった。

世界的な需要減をうけ、マツダは3月末から国内、タイ、メキシコの工場で生産調整に入った。期間は5月末までとしており、生産への影響は累計で約13万台となる見込みだ。

4月19日時点で販売店の休業は米国で85%、欧州で8割に広がった。日本でも緊急事態宣言が発令され、国内ディーラーからは「4月の販売は前年比で3割減った。5月は半分になるのでは」(幹部)との声も出ている。4月の販売実績も厳しい数字となりそうだ。

下請けも6~7割減産 

 工場休止を伴うマツダの生産調整は、広島に集まる部品メーカーにも波及している。バンパーなどを手がけるダイキョーニシカワはマツダの生産量に合わせて減産に動いた。工場で働く従業員の一部は賃金を補償しつつ、休ませている。
 マツダ向けが売り上げのほとんどを占める広島県の大手部品メーカーは4月の生産が平時に比べて7割落ちた。5月も同じ傾向が続くとみている。幹部は「工場はがらーんとしており、悲惨だ。まだ資金面は大丈夫だが、7月までこの調子だといよいよ苦しくなる」と漏らす。
 マツダと直接取引する「ティア1」と呼ばれる部品メーカーは比較的経営体力があり、今回のような生産調整が起きても直ちに資金繰りが逼迫することはない。販売が急減することで深刻なダメージを受けるのが「ティア2」(2次下請け)やそのまた下請けだ。
 あるティア1のメーカーは下請け企業の経営状況を聞き取っており、場合によっては融資や支払いの前倒しなどで支援するという。社長は「一度サプライチェーン(供給網)が崩壊すれば、コロナが終わったとしても車がつくれなくなる」と危機感をあらわにする。
 エンジン部品などを手がける県内のティア2の企業は、平時に比べて6割程度生産が減っている。減産するため工場の従業員は賃金を補償して休ませている。「日産トヨタなど他メーカー向けも不調で、今後さらなる減産を覚悟している」(同社の取締役)という。
 部品メーカーの中にはマツダの新型車「ラージ」に向けて新工場など大型の設備投資を進めてきた企業も多い。ラージの立ち上げが当初の計画から遅れているところに足元の収入減が重なり、償却費や先行投資費用が負担になるケースもある。
 自動車メーカーによる開発計画や経営戦略の失敗で生産が落ち込めば部品メーカーから恨み節が漏れるのは常。今回に関しては外的要因のため、部品メーカーからマツダを責める声は一切聞かれない。ある大手の幹部は「今回の減産をきっかけにコストやムダを見直し、会社をより筋肉質にするためのチャンスにしたい」と前向きだ。
 部品メーカーの間ではマツダ自体の資金繰りを憂う声もあるが、各社幹部らの認識は以下で共通する。「マツダがあってこその下請け。コロナが終わったあとには一緒に復活したい」(河野真央)

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