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新生関電、険しい船出 指名委等設置会社へ移行

関西電力は28日、新たな経営体制に向けた社外取締役を発表した。企業トップや有識者ら8人を外部から招き、6月に指名委員会等設置会社へ移行する。筆頭株主の大阪市が求めた橋下徹元市長を社外取に受け入れる案は拒否。大阪市は電気料金の引き下げを求める考えを示し、株主代表訴訟も視野に入れる。新生関電は筆頭株主と衝突しながらの船出となる。

「特定の株主と関係の深い方にお願いするのは適切でないと考えた」。橋下氏を社外取に迎えない理由を聞かれた森本孝社長は記者会見で、淡々と答えた。

大阪市は関電の株式の約7%を保有する筆頭株主。役員らによる金品受領問題を受け関電の経営に監視が必要だとして、松井一郎市長は17日、橋下氏を社外取とするように求めた。

関電が社外取らでつくる人事・報酬等諮問委員会を20日に開くと、政治色が濃いため、招へいに否定的な意見が相次いだ。関電内でも「過去にも大阪市から取締役提案を受けており、延長線だと認識している」(幹部)と特別視しない考えが広がった。橋下氏案の拒否はほぼ既定路線だった。

これを受け松井市長は報道陣の取材に対し、「上手に世の中の反感を買わずに演技しているのが今の関電なのかと思う」と語った。大阪市は経営情報の開示など透明性を高める議案を6月の株主総会に提案する。金品受領問題でただでさえ厳しい質問が予想される今回の総会。「新しい関電の創生」(森本社長)は逆風の中での幕開けになる。

そのなかで今回、改革の柱に据えるのが指名委員会等設置会社への移行だ。取締役会の中に指名と報酬、監査の3委員会を置く。前経団連会長の榊原定征氏を会長に迎えるのを筆頭に、住友金属工業出身の日本製鉄相談役の友野宏氏など関西に縁のある経営者や学識経験者を社外取に招く。各委員会の委員長やメンバーの過半を社外取とし、「内向き体質」からの脱却を目指す。

関電は2015年、人事案や役員報酬を審議する「人事・報酬等諮問委員会」を設置した。現在は社長、副社長と4人の社外取で構成し、これまでも外部の視点を強めてきた。それでも経営陣は、東日本大震災後に減額していた役員報酬の一部を退任後に補填するようひそかに決め、諮問委では審議されなかった。

新たな組織は法律にのっとってより強く社外取の意見を反映させる仕組みとなる。企業統治に詳しい近畿大学の芳沢輝泰准教授は「指名委員会等設置会社は最も不正が起こりにくいとされるが、どの会社形態でも過去に不正は起こっている」と述べ、「職場全体の企業風土を改め、倫理教育を徹底することが重要」と指摘する。

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