家賃支援、首相が検討表明 岸田氏は融資後の助成提案

2020/4/28 23:10
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安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で新型コロナウイルスの影響が長期化した場合に追加の家賃支援を検討する考えを示した。中小企業の家賃負担の軽減については与野党双方から早急な対策を求める意見があがる。全ての負担に政府が責任を持てば多額の財源が必要になる。

自民党の岸田文雄政調会長は衆院予算委で、テナントが金融機関から借りた資金の返済について、家賃など固定費分を国が負担する案を示した。「元本返済を給付金、助成金、免除で実質的に国が責任を持つ。融資と助成のハイブリッド型だ」と提起した。

首相は「この状態がさらに延びれば、さらなる対策も考えないといけない。その時はちゅうちょなくやるべきことをやりたい」と答弁した。

岸田氏は米国の給与保護プログラム(PPP)の仕組みを念頭に置く。中小企業などが融資を受け、従業員の雇用を維持すれば、給与や保険料、家賃などの支払いに充てた部分の返済が免除される。融資と国の助成を組み合わせた制度となる。

トランプ政権が3月下旬に成立させた総額2兆ドルの大型経済対策の中で中小企業支援の柱に位置づけた。対策費に3500億ドルを盛り込んだ。

自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長は28日、国会内で会談し、首相の発言を受け、与党として支援策をまとめることで一致した。

野党はすでに支援の具体策を固めた。立憲民主、国民民主、共産、社民各党と日本維新の会は28日、中小企業などの家賃負担を軽減する法案を衆院に共同提出した。

衆院の岡田憲治事務総長(中央右)に家賃支援法案を提出する国民民主党の後藤祐一氏(同左)ら野党議員(28日、国会)=共同

衆院の岡田憲治事務総長(中央右)に家賃支援法案を提出する国民民主党の後藤祐一氏(同左)ら野党議員(28日、国会)=共同

野党が提案する仕組みは、政府系金融機関が家賃を肩代わりし、テナントの支払いを猶予する。支払えない場合は金融機関の債権放棄も想定している。家賃を減免した不動産所有者への補助も盛り込んだ。

課題は財源の確保にある。米国ではPPPへの申請が殺到して財源が枯渇したため、4月の対策で費用を追加することになった。

中小企業庁によると2016年時点の中小企業数は宿泊業・飲食サービス業で51万、生活関連サービス業・娯楽業は36万、教育・学習支援業は10万にのぼる。日本の企業のうち中小企業は99%以上となる。

すでに今回の緊急経済対策で家賃支払いにも充てられる中小企業や個人事業主への給付金を盛り込んだ。不動産所有者は家賃を減額した場合などに固定資産税の減免を受けられる仕組みもある。

今後、対象とする業種や期間、助成の枠組み次第では膨大な予算が必要になる。慶応大の土居丈朗教授は「家賃の支払い能力がある事業者まで支援を受けることは避けるべきだ。本当に困窮している事業者を区別できる制度にしないといけない」と指摘する。

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