スズキ、3月の世界四輪生産2割減 新型コロナで打撃

2020/4/28 19:07
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スズキが28日に発表した2019年度の四輪車生産・販売統計(速報値)によると、世界生産は18年度比13%減の296万6399台だった。減少は4年ぶり。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、主な海外拠点が相次ぎ操業を停止。3月は前年同月に比べて2割減と落ち込んだ。今後も需要の低迷が見込まれ、新型コロナが先行きに影を落とす。

インドの全土封鎖措置を受け、スズキのグジャラート工場は、最長で5月3日までの停止を見込む

19年度の海外生産は15%減の202万2227台と8年ぶりに減少した。最大市場のインドが15%減と6年ぶりに減った。金融機関の貸し渋りや経済の減速を受けて販売が低迷。19年9月の法人税減税を機に実施した値下げや新型車の投入で販売をてこ入れしたが、カバーしきれなかった。

他の海外主要工場でも生産を軒並み減らした。タイが47%減のほか、ハンガリーが11%減、パキスタンが38%減った。小型トラック「キャリイ」の発売などが寄与したインドネシア(20%増)以外は振るわなかった。

国内生産は7%減の94万4172台と4年ぶりのマイナスだった。検査不正の再発防止に向けて従業員教育などに取り組み、生産ラインの速度を落としたことが影響した。供給力不足は販売の足かせになり、国内販売は7%減の67万2284台と4年ぶりに縮小した。

スズキは新型コロナの影響が当初は他社に比べて軽微だったが、3月は顕在化してきた。インドやハンガリーで3月23日に工場の操業を停止して以降、各地での外出制限措置を受け、主な海外工場は軒並み停止を余儀なくされた。3月の世界生産は前年同月比で23%減と落ち込んだ。

直近は、衛生対策など従業員の安全確保に向けた対策にめどをつけたハンガリーの工場で29日から再開する。インドの工場でも5月3日までの全土封鎖措置を踏まえ、停止は最長で同日までと見込み、再開の準備に取り組んでいるようだ。

ただ、感染の終息時期が見通せず、生産や販売への打撃は避けられそうにない。同社の鈴木修会長はインドでの生産の正常化に向け、「部品を調達できるのか、販売に取り組めるのか、見極める必要がある」と語り、乗り越える壁がいくつもあるとの見方を示す。

国内でも海外からの部品調達が滞り、全ての四輪工場も4月1日~3日に操業を停止。それ以降も一部の工場で操業を止めるなどしている。部品の調達は現時点でも厳しい状況を余儀なくされている。

今後、各国で外出抑制措置が解除されても需要の冷え込みも想定される。同社は5月26日に2020年3月期の決算を発表するが、先行きの見通しを示すのは簡単ではない。3月に創立100周年となったスズキは試練の時を迎えている。

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