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キーエンスの前期、10年ぶり最終減益 設備投資の減退響く

キーエンスが28日発表した2020年3月期連結決算は、純利益が前の期比12%減の1981億円だった。決算期変更の影響を考慮した実質的な最終減益は10年ぶり。米中貿易摩擦で企業の投資意欲が減退し、新型コロナウイルスの感染拡大による顧客の工場稼働率の低下も響いた。高収益企業として知られるキーエンスでも外部環境の激変を吸収しきれなかった。

売上高は6%減の5518億円だった。主力の省人化などに役立つファクトリーオートメーション(FA)機器向けセンサーや、研究開発に使う計測器などが、世界の主要地域で設備投資の減退を受けて落ち込んだ。

2916億円と全体の53%を占める海外売上高は7%減った。地域別では「欧州・その他」が8%減、「アジア(中国含む)」が8%減、「北中南米」も4%減だった。海外は全ての地域で減少し、国内も2601億円と5%減った。

米中貿易摩擦の影響などで世界的に設備投資を見合わせる動きが目立った。19年末にかけて現地通貨ベースでは一部地域で下げ止まりや増加に転じる動きも見られたものの、20年1月以降は中国を中心に新型コロナまん延の影響を受けた。営業利益は13%減の2776億円だった。

同社は21年3月期の通期予想は公表していない。27日時点での市場予想平均(QUICKコンセンサス)は、売上高が前期比7%増の5902億円、営業利益が11%増の3070億円の見込みだ。配当は年200円とする方針だが、株式分割を考慮すると実質100円増となる。

キーエンスは市場動向について「工場が再開した中国は好調だが、日本や米国、欧州は見通しにくい」(広報担当)としている。今後は新型コロナの感染防止のために生産現場で密閉・密集・密接の「3密」を避ける動きが広がり、人手を介さない自動化につながるセンサーのさらなる需要増も見込めるとみている。

キーエンスは新型コロナの影響が広がる20年3月期でも、売上高営業利益率は50%と高収益体質を維持している。3月末の現金・預金と有価証券の合計は1兆円弱にのぼり、自己資本比率は96%に達する。

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