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日銀、危機封じ長期戦 黒田総裁「なんでもやる」

新型コロナウイルスの感染拡大による経済の急速な悪化に対応するため、日銀は27日、追加の金融緩和策を決めた。国債を制限なく購入する姿勢を強調し、金利上昇圧力を抑える。社債などの買い入れ枠を3倍近くに増やし、企業の資金繰りを支援する。米欧の中央銀行はさらに踏み込んだ政策を打ち出しており、日銀も対策の遅れが許されない長期戦が続く。

黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「中央銀行ができることは何でもやる」と強調した。債務危機に直面した欧州中央銀行(ECB)のドラギ元総裁が2012年、市場の安定につなげた演説と同じ言葉を使った。

今後は政府の大型経済対策で財源となる国債の発行も膨らみ、金利が上昇する可能性もある。日銀は保有残高を「年80兆円をめど」に増やす方針としていたのを改め、制限をなくす。積極的な国債購入を通じて金利上昇を抑え、財政との連携を強調する狙いがある。

日銀による一段の国債買い入れは、中銀が財政赤字を肩代わりする「財政ファイナンス」の危うさもはらむ。黒田総裁は「あくまでも金融政策運営上の必要に基づいて実施する措置」と説明したうえで「経済の下支えに貢献する」と語った。

新型コロナが経済に及ぼす影響は深刻だ。日銀は同日、2020年度の実質成長率がマイナス3~マイナス5%になるとの見通しを示した。「リーマン・ショックを上回る影響が出る恐れがある」(黒田総裁)として、企業の資金繰り支援の拡充も決めた。

大企業向けでは社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ枠の上限を現状の3倍近い約20兆円とした。1社ごとの買い入れ残高の上限も、社債は従来の3倍の3千億円、CPは5倍の5千億円とした。高止まりする金利を抑える狙いだ。

金融機関にゼロ金利で資金を貸し出し、中小企業向けの融資を後押しする特別オペ(公開市場操作)も大幅に拡充する。ゼロ金利での貸し出しに必要な担保の範囲を民間債務全般に緩める。対象となる担保は従来の約3倍の23兆円に増える。

米連邦準備理事会(FRB)は国債などを制限なく買い入れることを決め、投資不適格に格下げされた社債の買い取りも決断した。ECBは投機的な格付けの債券でも担保にできるようにした。米欧中銀がアクセルを踏み込むなかで、日銀も危機を封じ込める政策のスピードが問われる。

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