三井住友FGとSBI提携の背景は?
2020年4月28日の日本経済新聞朝刊1面に「三井住友FG、SBI提携」というニュースがありました。両社はスマートフォン(スマホ)金融で提携し、投資信託や保険を相互に取り扱います。銀行とネット証券の大手が互いに手を組む理由は何なのでしょうか。



提携に至った背景には2つの要因があります。1つ目は業種の垣根を越えた競争が激しくなっていること。楽天やLINEのように巨大な顧客基盤をもつ異業種が、決済や証券などのスマホ金融に力を入れています。こうした顧客の囲い込みに対抗するため、ネット証券が主力事業のSBIは三井住友FGとの協力を進めます。銀行のリアル店舗は、スマホ金融では届きにくい顧客との接点になります。
2つ目の要因は、サービスのデジタル化を進めたい三井住友FGの戦略と合致したことです。個人向けの融資や運用など、スマホ金融のサービスを広げたい三井住友FGにとって、デジタル化は避けて通れない道です。ノウハウを持つSBI傘下の証券会社に出資することで、スマホ向けの新たな営業体制をつくる狙いがあります。
両社の強みと弱みを補完しあう、ウィンウィンの提携といえそうです。一方、消費者にとって一番気になるのはサービス面です。私もスマホ金融ユーザーの一人ですが、家計簿アプリやネット証券を選ぶうえで最も重視するのは使いやすさです。よい協業であっても消費者にとってメリットが感じられなければよいサービスとはいえません。これからどんな商品開発が進むのか楽しみです。
20代編集者が同世代にむけて新聞の読みどころを発信する「朝刊1面を読もう/Morning Briefing」は平日朝に公開します。もっと詳しく知りたい人は4月28日の朝刊1面を読んでみてください。
この記事をまとめた人:渡部加奈子
2015年入社。保育・女性活躍の取材を経て、コンテンツマーケティングを担当。早くオフラインで新入社員に会ってみたい。
2015年入社。保育・女性活躍の取材を経て、コンテンツマーケティングを担当。早くオフラインで新入社員に会ってみたい。

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