医療従事者支える 防護服手作り、身近な素材活用も

2020/4/29 2:00
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新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日々最前線で奮闘する医療従事者を支援する動きが広がっている。ポリ袋やクリアファイルなど身近な素材を使い、不足する医療物資を補う活動も。自治体や大学、事業者があの手この手で逼迫する現場をサポートしている。

■手作りの防護服

休館中の体育館で、ポリ袋にヒートガンを当てるのは大阪府豊中市の職員たち。医療現場の防護服が不足する中、代用品を手作りしている。作業するのは給食調理員ら約30人。20日から始め、1日平均およそ1600着作っている。5月1日までに2万着用意する予定だ。

大型のポリ袋を、切れこみを入れた段ボールの型紙にはさみ、熱風で溶かして接着。はさみで腕や首を通す部分を切ればできあがりだ。1着2分程度でできる。

代用品の防護服は感染症指定医療機関の市立豊中病院に提供する。同病院では防護服を1日220着ほど使う。経営企画課の坂口真由美課長は「病院の職員も業務後に作っていたが、人数が少なく効率も悪かった。在庫が減少している中、地域の人たちにサポートしてもらい大変助かっている」と話した。

■フェースシールド量産へ

3Dプリンターで作ったフレームとクリアファイルを使ったフェースシールド(28日、大阪府東大阪市の甲子化学工業)

3Dプリンターで作ったフレームとクリアファイルを使ったフェースシールド(28日、大阪府東大阪市の甲子化学工業)

飛沫感染を防ぐ防護マスクも不足する。文具のクリアファイルと独自のフレームで簡単に顔を覆える「フェースシールド」を開発したのは大阪大学大学院医学系研究科の中島清一特任教授だ。眼鏡メーカーと連携し作ったフレームを3Dプリンターで製作。個人や企業など多くの人が作れるようデータを無料公開した。ただ、3Dプリンターによる製作はコストは安価なものの1つ完成させるのに1~2時間かかる。1日に作れる数には限りがある。

並行して考えていたのが量産用の金型の製作だ。クラウドファンディングを20日に立ち上げ、500万円の資金を募った。28日時点で、目標の5倍近い寄付が集まっている。

金型の製作は大阪府東大阪市の町工場などが協力する。量産用を複数作り、5月から約2カ月で10万個のフェースシールドを生産する計画だ。完成品は医療機関に無償配布する。

■移動手段の無償提供

医療従事者を送迎するジャンボタクシーの運転席と後部座席の間に設置されたビニールシート(24日、京都市)

医療従事者を送迎するジャンボタクシーの運転席と後部座席の間に設置されたビニールシート(24日、京都市)

タクシー大手のエムケイ(京都市)は新型コロナウイルス患者に対応する医師や看護師らを対象とした移動手段の無償提供を25日から始めた。深夜早朝勤務の負担や通勤時のストレスを軽減してもらうため。京都市立病院で運用を始め、他の感染症指定医療機関など15施設ほどでの実施を検討する。

車内が広い10人乗りのジャンボタクシーを利用する。1台につき送迎するのは2、3人に限定。飛沫感染対策で、運転席と後部座席の間には透明のビニールシートを設置し、走行時は窓を開放する。利用の増加に対応するため、ジャンボタクシー約30台のほか、ミニバン約100台でも準備を進めている。

■感謝の光

神戸市は医療従事者らへの感謝の気持ちを表すため、市内10カ所の施設を青くライトアップした。ロンドンで始まり世界中に広がっている取り組みに賛同したものだ。

23日、同市中央区のメリケンパークでは「BE KOBE」のモニュメントが青く浮かび上がり、神戸ハーバーランドのモザイク大観覧車には30分おきに「ありがとう」のメッセージが流れた。外出自粛要請が続く中、同市はSNS(交流サイト)で写真を紹介している。

(玉井良幸、目良友樹、小幡真帆)

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