JR東海の1~3月、純利益85%減 コロナで新幹線利用減
JR東海が27日発表した2020年1~3月期の連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が前年同期比85%減の97億円だった。同期間としては15年(33億円)以来、5年ぶりの低水準。新型コロナウイルスの感染拡大で移動自粛が広がり、東海道新幹線の利用者が大幅に減った影響を受けた。

売上高は16%減の3966億円、営業利益は61%減の442億円だった。東海道新幹線の輸送量は旺盛な企業の出張や訪日外国人(インバウンド)の需要が追い風となり、20年1月までは前年同月比プラスで推移する傾向が続いていた。新型コロナの影響が広がり始めた2月は8%減、3月は過去最大の減少率となる59%減だった。
20年3月期の通期でみれば売上高は前の期比2%減の1兆8446億円、通期の純利益は9%減の3978億円だった。純利益は従来予想から281億円下振れした。前の期まで更新していた最高益は7年連続で止まり、8年ぶりの減益となった。

同日、21年3月期の業績予想は未定とした。これまで増配を続けてきた配当の予想も見送った。4月1~15日の新幹線の利用客数は前年同期比で85%減。最速列車「のぞみ」をはじめとした新幹線は24日以降、本数を2割削減して運行している。
27日、名古屋市内で記者会見した金子慎社長は「経営環境は当面厳しい環境が続くが、安全、安定的な運行に確保したい」と話した。