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早期退職の2人「運用方針厳守でコロナでも資産減らず」

アーリー・リタイア成功への道(下)

写真はイメージ=PIXTA

経済的な自立を手に入れて早期に会社を辞め、自由に生きる――。米国のミレニアル世代を中心に支持を集めている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。同様の志向は、日本の若い個人投資家層にもじわりと広がっている。株式投資で資産を築き、アーリー・リタイアを実現した穂高唯希さん(ハンドルネーム)と、近く実現予定の桶井道さん(同)の2人に、早期退職のプランニングや資産形成などを聞く「アーリー・リタイア成功への道」。2回目は、新型コロナウイルスによるマーケットの混乱にどう対応したのか、さらに、今後の運用方針や暮らし方について聞いた。

コロナ・ショックの影響は軽微

――2月下旬のコロナ・ショック以降大荒れとなった株式市場。多くの個人投資家が対応に苦慮しました。桶井さんは相場の混乱にどのように対処したのでしょうか。

桶井道さん(以下敬称略) コロナ・ショックに対応したアセット・アロケーション(資産配分の組み替え)は行っていません。株式相場が大きく下落したことで保有株式の評価額も減りましたが、定期預金や日本国債にはコロナ・ショックの影響はなく、資産全体でみるとそこまで大きな影響はありませんね。資産総額でみると昨年12月時点から3%減といったところです。保有資産を分散していた効果が出ています。

株式投資では3月以降つみたてNISAを除き基本的に売買を止めています。既に資産計画が出来上がっている以上、下手にリスクオンに動いて資産を増やそうとした結果、逆に資産を減らす結果になりたくないという理由です。

穂高唯希さん(以下敬称略) 私はコロナ・ショックでは少し動きました。相場急落を受け、アーリー・リタイア前まで積み上げていたMMF(マネー・マーケット・ファンド)を現金化。それを米国株や日本のREIT(不動産投資信託)の買い資金に充てました。

もともと暴落はいずれ来ると考えて投資に取り組んでおり、運用方針についても特に変更はありません。

――今後の資金計画に影響は出ていないわけですね。

桶井 全くありません。あらゆる想定をした資金計画に支えられているからです。元から、株高に依存した計画ではありません。

穂高 ありません。 前述した通り、元々暴落相場が来ることを念頭に置いて株式投資に取り組み、計画を立てています。

マーケットに振り回されない暮らしを設計

――コロナ禍でアーリー・リタイアに対する考え方は変わりましたか。

桶井 率直に言ってコロナ禍により、アーリー・リタイアに向けて動いていて良かったという思いを強めています。というのも、日本企業の多くはテレワークが進んでおらず、労働に伴う通勤や対人対応で新型コロナに感染するリスクが高いと強く感じたからです。

穂高 私は2019年夏にアーリー・リタイアをしましたが、以前より金銭に対する価値観・優先順位が落ちたと感じています。

もともと私は金銭的な支出に対する優先度が相対的に低く、若い時の自由な時間こそが大事だと思っていました。アーリー・リタイアに伴い生活拠点を自然豊かな場所へ移してからは、その思いはより強まっています。金融市場の動向と関係なく、いかようにでも生きていけると感じました。

――今後の投資や生き方に対する考え方を教えてください。

桶井 米国株の上昇に伴う強気相場が長く続いたことから、投資家も強気になっていたと思います。私自身もリスク許容度内で動きながらもそう感じていました。

このコロナ・ショックが相場には下落場面もあることを再認識させてくれたと思います。今後も無理な投資はせずに、急落に遭ってもマーケットから退場しないですむよう、リスク許容度に合わせた投資を継続したいと思います。決して目先の相場に惑わされないよう、「投資はゴールベースで考える」という意識を強く持ちたいと思っています。

穂高 これからは、自身の資産を意識的に増やすフェーズではないと感じ始めています。金銭的価値観がさらに変わってきていて、「お金はある程度あれば十分」という思いが以前より強くなっています。自分の資産を増やすことよりも、ブログや書籍での情報発信や価値観・観点の提示を通して、人々の資産運用などに役立ちたいという思いが今は強いですね。

桶井 そこは同感ですね。ブログやツイッターでの情報発信を通して、人々の投資や節税、アーリー・リタイアやダウンシフト(仕事のペースを落としゆとりある生活に切り替えること)などの役に立ちたいです。それも社会貢献の一つと考えています。

(川路洋助)

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