在宅勤務が快適に 家庭の椅子に合うクッション3選
納富廉邦のステーショナリー進化形

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、在宅勤務の推奨が強く叫ばれている。慣れない椅子に座ったままパソコン操作を長く続けた結果、腰痛や肩こりなどを感じている人も多いだろう。ビジネスグッズを数多く取材し、在宅勤務経験も豊富な納富廉邦氏が、実際に座ってみて快適さに驚いたという最新のクッションを紹介する。
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私は基本的に家で座って仕事をしているため、椅子はとても重要なアイテムである。しかし、高級なオフィスチェアは大きすぎて、高価なため自宅に置くことができない。そこで私がこだわっているのは、椅子に載せるだけで使えるクッション。ここで問題となるのは、その種類はとても多く、また、売り場で短い時間だけ座ってみるくらいでは、それが長く座るのに適しているのか、なかなか分からないことである。
これまで多種多様なクッションを試してきた者として、今、在宅ワークをしている人にお薦めできるものを3つ紹介する。自宅のダイニングテーブルの椅子に座って働いているような人にも、普通の家庭用の椅子に置いて効果があるものばかりなので、役立つはずだ。
注意点は、最初に座った時には、それなりの座りやすさと同時に、違和感もあることだ。ただ、私の経験から、3~7日くらい使い続けると、身体も慣れて座り方のコツが分かる。本当の座り心地が分かるのはそれからで、しかも第一印象とはかなり変わるので、慌てず、じっくり使ってみてほしい。
正しい姿勢なのに疲れない

pintoは一見、姿勢矯正用のクッションのようだが、実際に使うと、随分印象が違った。矯正というより、正しい姿勢で座ると、その姿勢のまま楽でいられるように身体をサポートしてくれる、という感じなのだ。つまり、背筋を伸ばして座ると疲れてしまう部分をクッションで支えてくれるので、その姿勢でいる方が楽に感じる、という座り心地だ。
キーボードを打ったり、資料を見たりという作業をしやすい姿勢が、このクッションのおかげで楽な姿勢になるというのは、かなりのメリット。たくさんの数のオーダーメードのシートを作ってきたメーカーと作業療法士のタッグによる製品とのことで、さすがだと感じた。ただ、姿勢を崩してだらっと座るのには向いていないので注意したい。
仕事とオフでモードを切り替えられる

イスザブはその名の通り、椅子用の座布団。面白いのは、仕事用モードとオフ用モードに切り替えられること。腰や背骨への負担を軽くするように作られていて、私は、オフ用モードでだらだらと座り、集中したい時に仕事用モードに切り替える、といった使い方をしている。座ると自然に軽く前傾姿勢になる仕事用モードは、集中姿勢をうまく支えてくれる。


しかも、このクッション、オフィス用の椅子よりも家庭用の椅子との相性が良いと思う。背もたれがフラットな椅子が、楽で仕事ができる椅子に変身するのが面白い。椅子に置いた時の見た目の自然さも、よく考えられている。
座布団と背当てが別で、独特の座り心地
家庭で丸洗いできる、椅子用の座布団と背当て(それぞれ別売り)が、プラッツ「ざぶ座布」と「ざぶざぶ背当て」。好みの姿勢に応じて、背当てと座布団の位置を調整できる。体重が分散されるように作られているので、座り始めは違和感があったが、数日でかなりお尻や背中が楽になった。


座布団の専門メーカーの商品だけあり、布地や座ったときのクッションが硬過ぎず柔らか過ぎない、プロの仕事を感じた。背当てはしっかり体重をかけると背中への当たりが軽くマッサージされているようで心地よい。前の2製品に比べると、仕事より、ややオフ向きの製品だが、座り心地が独特なので、これまでさまざまな商品を使ったが、自分に合うものに当たったことがないという方は、試してみるとよいと思う。
佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人のカバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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