外国人材支援のLinc、オンライン学習教材を拡充
外国人材のオンライン学習などを支援するLinc(東京・千代田)は、eラーニングシステムで提供するコンテンツを拡充する。事業拡大のためベンチャーキャピタル(VC)などから8000万円を調達した。新型コロナウイルスの感染拡大で対面授業が開けなくなっている日本語学校向けの支援も進める。

Lincは日本の大学などに進学を希望する中国語圏の学生向けに、eラーニングシステムの「リンクスタディー」を提供している。日本留学試験(EJU)の対策に特化し、講義動画や練習問題の配信、学生へのアドバイスといったサービスをそろえる。
表計算ソフトなどのITスキルや、ビジネスマナーなど日本での就職に役立つコンテンツをリンクスタディーに追加する。同社は日本企業と長期インターンを希望する留学生をマッチングする事業も手がけており、日本での進学から就職まで支援の幅を広げていく。
個人投資家の有安伸宏氏とVCのジェネシア・ベンチャーズ、BEENEXTがLincの第三者割当増資を引き受けた。
同社は全国で50社の日本語学校を運営する企業と提携している。リンクスタディーの利用者のうち、来日して日本語学校などで学ぶ人が7割、来日前に海外から学ぶ人が3割という。今春来日したものの、新型コロナの影響で日本語学校に通えない学生らにリンクスタディーを無償で提供するほか、日本語学校のeラーニング用教材作りを支援する。
慶応大学に留学後、2016年にLincを設立した仲思遥最高経営責任者(CEO)は「長期的な日本の労働力不足は変わらない。24年までに16万人が使うサービスに育てるのが目標」と話している。