日銀、追加の金融緩和策を決定 国債購入の制限を撤廃

2020/4/27 12:11 (2020/4/27 12:32更新)
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金融政策決定会合が開かれる日銀本店に入る黒田総裁(27日午前)=代表撮影

金融政策決定会合が開かれる日銀本店に入る黒田総裁(27日午前)=代表撮影

日銀は27日、金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を決めた。新型コロナウイルスの感染拡大で経済が急速に悪化するなか、長期金利の上昇を抑えるため、国債を制限なく必要な量を購入する。社債などの買い入れ枠は合計20兆円と従来の3倍近くに増やす。市場に供給する資金を増やし、財政や企業の資金繰りを支援する。

日銀の黒田東彦総裁が午後に記者会見を開いて内容を説明する。

今回決めた追加緩和策の柱の一つは日銀が国債を購入する規模の見直しだ。新たに「上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行う」とした。これまで日銀の保有残高の増加額を「年間80兆円をめど」としていた。この「めど」がなくなり事実上、無制限に買えるようになる。

政府は新型コロナで悪化する経済を下支えするため、事業規模117兆円の緊急経済対策を決めた。財源の一部は国債の大量増発で賄うため、金利に上昇圧力がかかりやすくなる。日銀が積極的に購入する方針を一段と明確にすることで、金利上昇をけん制し、財政と金融政策の相乗効果を高める。

米連邦準備理事会(FRB)はすでに国債などを無制限に購入する。日銀も追随する形だ。

追加緩和策のもう一つの柱は企業の資金繰り支援だ。社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ枠を大幅に増やす。合計20兆円を上限にし、買い入れ対象とする社債などの残存期間を5年まで延長する。これまで1~3年としていた。発行体ごとの買い入れ限度額も大幅に緩和する。高止まりした金利を引き下げる狙いだ。

中小企業向けの資金繰り支援策では、企業向け融資の資金をゼロ金利で金融機関に貸し出す特別オペ(公開市場操作)の拡充を決めた。民間債務全般を担保にできるようにし、対象担保は約23兆円になる。これまで約8兆円だった。中小企業と取引の多い地方銀行や信用金庫が使いやすくなる。

オペを利用する金融機関には利用残高に応じて、日銀の当座預金に0.1%のプラス金利(付利)を付ける。

日銀は新たに政府の緊急経済対策で実施する資金繰り支援制度と連携した資金供給策も検討すると発表した。

短期政策金利マイナス0.1%、10年物国債金利を0%近辺に誘導する長短金利操作(イールドカーブコントロール)の枠組みは維持した。

決定会合に出席した西村康稔経済財政・再生相は終了後に記者団に「政府の資金繰り対策を日銀の立場からさらにしっかりと支えていただけるものとして評価している」と述べた。

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