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世界の軍事費、20年は増加一服も 国際平和研、新型コロナで

米国は軍事支出を増やし続けている(2019年10月、米サンフランシスコ)=AP

【ロンドン=佐竹実】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は27日、2019年の世界の軍事支出が1兆9170億ドル(約205兆円)だったと発表した。前年より3.6%増え、過去10年で最大の伸びとなった。20年は新型コロナウイルスへの対応で各国が巨額の財政出動に追われることもあり、軍事支出の伸びが一服する可能性もある。

冷戦後に減った世界の軍事費は2000年ごろから再び増加基調をたどり、過去最高の更新が続いている。ただSIPRIは「新型コロナウイルスの感染拡大による経済危機は、将来の軍事支出に影響するだろう」と分析する。過去の景気悪化局面を見ると、軍事費が減る傾向があるためだ。

19年の軍事費の伸びをけん引したのは、全体の4割近くを占める米国だ。中国の台頭を警戒するトランプ政権は軍事費を増やしており、19年は7320億ドルと5.3%増えた。1年の増加分だけで、ドイツの年間軍事費に相当する。

2位は中国で、同5.1%増の2610億ドルだった。米国の3分の1にとどまるものの、南シナ海を軍事拠点化するなど急速に軍備を増強している。「中華民族の偉大な復興」を掲げる習近平(シー・ジンピン)国家主席は、建国100年となる49年までに経済から軍事まであらゆる面で世界のトップに立つことを目指している。米中両国が覇権争いの中で軍事費を増やしている。

4位から3位に上がったのがインドで、同6.8%増の711億ドルだった。SIPRIは「中国とパキスタンとの間の緊張が、軍事費増加につながっている」と指摘する。日本は9位で同0.1%減の476億ドル、韓国は10位で同7.5%増の439億ドルだった。アジア大洋州地域の軍事支出は89年から毎年増加している。

19年は米国、中国だけで世界の軍事費の52%を占めた。また伸び率で目立ったのが、前年に比べ10%増えたドイツ。前年の9位から7位に上がり、493億ドルだった。SIPRIは「ロシアの脅威が増していることが一因」と分析する。ただフランスや英国といった欧州の他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国は大きな変化はなかった。

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