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在宅勤務にたばこの誘惑 新型コロナ重症化の恐れ指摘も

学会など禁煙呼び掛け

在宅ワークの合間にたばこを吸う会社員の女性(15日、福岡市)

喫煙者が新型コロナウイルスに感染すると重症化する恐れが高まるとして、世界保健機関(WHO)や日本禁煙学会などが禁煙を呼び掛けている。緊急事態宣言の対象が全国に広がり、外出自粛に伴う在宅勤務中に喫煙が普段より増える人もいる。専門家は「これを機に禁煙し、リスクの低減を」と呼び掛けている。

「ダメだと思っているけど、ついたばこに手が伸びてしまう」。福岡市の会社員の女性(33)は、政府が福岡県など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令した翌日の8日から、週2~3日の在宅勤務を始めた。それからは1日の喫煙本数が25本と、以前より10本ほど増えたという。

通勤していたときも吸っていたが、主に昼休みと業務終了後だった。「家にいると周りの目を気にしなくていいので、つい吸ってしまう」と苦笑する。

ツイッター上でも「在宅でたばこ増えた」「在宅でたばこ吸い放題」などの書き込みが相次ぐ。「家だとパソコンがフリーズしやすく、イライラして吸ってしまう」と話す会社員の男性(25)も、在宅勤務になってから喫煙回数が2倍に増えた。少しでも頻度を減らそうと、吸う前にひと手間かかる手巻きたばこを買っているという。

WHOは3月20日、「新型コロナウイルスに感染した場合、喫煙は重症化のリスクを高める」と注意喚起する声明を出した。東京都医師会も重症化の予防策として禁煙を訴えている。呼吸器系疾患の専門家や医療関係者の国際的な組織「国際結核肺疾患連合」は禁煙だけでなく、たばこ会社に製品の製造と販売の停止も呼び掛けた。

たばこはがんや脳卒中など様々な病気に関わり、煙に含まれる成分は免疫力を低下させる。歩行など軽く体を動かしただけでも息切れし、せきやたんが続く慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主な原因でもある。こうしたことから喫煙者は新型コロナによる肺炎が重症化しやすいという。

中国の研究チームは新型コロナの感染者1099人を調査した結果、喫煙したことがある人は喫煙経験がない人に比べ、重症化するリスクが約1.7倍になると報告した。集中治療室(ICU)への入室や人工呼吸器による管理、死亡のいずれかの状態に陥るリスクも約3倍だったという。喫煙者は非喫煙者に比べ、重症化リスクが14倍になるという別の報告もある。

新型コロナウイルスの感染予防のために禁煙を呼び掛ける日本禁煙学会のホームページ

喫煙者は「密閉」「密集」「密接」の3密の環境になりがちな喫煙所にも気をつける必要がある。福井県では6日、福井市内の50代男性の新型コロナ感染が確認された。男性は、既に感染が確認されている会社の同僚と喫煙所で接触したことが分かっている。県の担当者も「喫煙所は3密にあたる。たばこを吸って息を吐き出すときに唾液などの飛沫が飛ぶ恐れもあり、注意してほしい」と呼び掛けている。

日本禁煙学会の作田学理事長は「禁煙すれば感染症への抵抗力は回復する。これを機に禁煙してほしい」と話す。

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