写真で見る 新型コロナで変わる「12連休」の景色

コラム(社会・くらし)
2020/4/25 11:50 (2020/4/25 20:26更新)
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閑散とする成田空港の出発ロビー(25日、写真左)と、海外に向かう人たちで混み合う昨年4月末の様子

閑散とする成田空港の出発ロビー(25日、写真左)と、海外に向かう人たちで混み合う昨年4月末の様子

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県が呼びかけた「12連休」が始まった。小池東京都知事は「ステイホーム週間」とするよう要請した。全国的に不要不急の外出自粛が求められ、通常なら大混雑の空港に人けはなく、かき入れ時の観光地も閑散とする。コロナ禍は連休の風景をどう変えるのか。各地の様子を写真で点描する。

■午後7時前 東京・渋谷のスクランブル交差点

閑散とする東京・渋谷のスクランブル交差点(25日午後)

閑散とする東京・渋谷のスクランブル交差点(25日午後)

かつての普段の休日なら若者でごった返す東京・渋谷のスクランブル交差点は、閑散としていた。駅前で友人と待ち合わせをしていた男性(18)は、「1カ月ぶりに来たが、人が少なくてびっくりした。いつもは肩がぶつかるほどなのに。お店もどこも休業していて行くところがない」と話した。

■午後6時半すぎ 東京・下町のスーパー

感染予防のため、スーパーのレジにはビニールシートが張られ、一定の距離を保つように並ぶ位置も離されていた(25日午後、東京都墨田区の「スーパーイズミ」)

感染予防のため、スーパーのレジにはビニールシートが張られ、一定の距離を保つように並ぶ位置も離されていた(25日午後、東京都墨田区の「スーパーイズミ」)

夕方、スーパーは買い物客で賑わい、従業員は商品の整理などに追われていた。感染予防のため、レジにはビニールシートが張られ、一定の距離を保つため、床には赤いテープが貼られていた。20代の会社員の男性客は、「テレワークをしていると昼食も自炊するので、食材を買いに出ることが増えた」と話す。70代の女性は「以前は地下にあるスーパーを利用していたが密閉空間ではないかと怖くなった」。今は外気が入るこの路面店に来るようにしているという。

■午後6時半 宅配代行の配達員(東京・三軒茶屋)

路上で注文を待つ宅配代行の配達員(25日午後、東京都世田谷区)

路上で注文を待つ宅配代行の配達員(25日午後、東京都世田谷区)

新型コロナウイルスの感染拡大で「巣ごもり」消費が広がり、宅配のニーズが高まっている。都内の繁華街では25日、宅配代行サービスの配達員が注文を求めて路上に集まる光景が見られた。しかし「同業者が多くて競争が激しい」と嘆くのは2週間前からウーバーイーツの仕事を始めた男性(43)。この日は昼から配達を始めて売り上げは5000円ほど。新型コロナウイルスの影響で本業の収入だけでは生活が厳しい。「せめて、あと4件ぐらいできればなあ」と、スマートフォンに目を落とした。

■午後5時前 関越自動車道の高坂SA(埼玉県)

「12連休」初日にかかわらず車がまばらな関越自動車道下り高坂サービスエリア(25日午後、埼玉県東松山市)

「12連休」初日にかかわらず車がまばらな関越自動車道下り高坂サービスエリア(25日午後、埼玉県東松山市)

例年の大型連休初日には各地の高速道路で激しい渋滞が発生するが、「12連休」初日となった25日は全国で交通量が低調だった。関越自動車道下り高坂サービスエリア(埼玉県東松山市)の駐車エリアはほとんどが空き、利用する車も乗用車ではなく物流などを担う大型車が目立った。運送業に勤める20代の男性ドライバーは「車がいない。走りやすいが少し気味が悪い」と話した。

■午後4時すぎ 奈良公園のシカ

鹿せんべいを販売する売店の前を並んで歩く奈良公園のシカ(25日午後、奈良市)

鹿せんべいを販売する売店の前を並んで歩く奈良公園のシカ(25日午後、奈良市)

鹿せんべいを販売する売店の前を並んで歩く奈良公園のシカ。公園を見回る県の職員は「こんなに人が少ないのは今まで無かった」とうつむく。県外ナンバーの車が駐車場に止まっていることについて、「大阪にはここまで広い公園が無いだろうから奈良まで来てしまう気持ちも分かる。今の人出では密接することは避けられるので怖くない」としたうえで、「大阪府に近いパチンコ店周辺では県外ナンバーの車も多く、来るのは控えて欲しい」と話した。

■午後3時すぎ アウトレットモール(千葉県)

臨時休館している酒々井プレミアム・アウトレットの駐車場(25日午後、千葉県酒々井町)

臨時休館している酒々井プレミアム・アウトレットの駐車場(25日午後、千葉県酒々井町)

例年多くの買い物客でにぎわう商業施設の多くが臨時休業している。今年4月に開業7周年を迎えた酒々井プレミアム・アウトレット(千葉県酒々井町)。8日から臨時休館となり、約5000台の車を収容できる広大な駐車場は閑散としている。都心から車で約50分、成田空港から約10分とアクセスがよく、訪日外国人の買い物需要も取り込んでいた。

■午後2時半すぎ 皇居ランナー

皇居周辺を走る人たち(25日午後、東京千代田区)

皇居周辺を走る人たち(25日午後、東京千代田区)

皇居周辺では25日、他の人との距離をとってランニングを楽しむマスク姿の人たちの姿が見られた。「外出自粛要請前より多少はランナーが減った」と話すのは練馬区から来た40代女性。週に1回していた皇居ランを外出自粛要請後は控え、地元の公園で走ってみたもののランナーで混雑していたという。この日は「地元よりも皇居のほうが人が少ないのでは」と足を運んだ。シャワー室やロッカーなどを備えたランナー向け施設が休業しているため不便さはあるが「久々の皇居ランでリフレッシュできた」と笑顔を見せた。

■午後2時半すぎ オンライン料理教室(東京・江東)

自宅でオンライン料理教室を開催する菅野しのぶさん(25日午後、東京都江東区)

自宅でオンライン料理教室を開催する菅野しのぶさん(25日午後、東京都江東区)

「今日はニラ玉と豆腐の塩昆布あんかけを作りまーす!」。料理家の菅野しのぶさん(48)がパソコンとスマートフォンを使って調理風景を動画配信する。平日は会社員として働きながら自宅で週末に料理教室を開いていたが、3月末からキャンセルが相次いだ。そんななか「オンライン」の言葉をよく聞くようになり、1週間前にビデオ通話を使ったレッスンを始めた。同じ場所には集まれないけれど、料理を続けたい生徒たちとつながることができる。「『楽しい! おいしい! 時短!』を伝えながらみなさんの憂鬱さを少しでも払拭できたら」。料理ができあがり、菅野さんと生徒たちが画面越しに声をそろえた。「いただきます!」

パソコン画面上で、できあがった料理を披露する料理家の菅野しのぶさん(左下)と生徒たち(25日午後、東京都江東区)

パソコン画面上で、できあがった料理を披露する料理家の菅野しのぶさん(左下)と生徒たち(25日午後、東京都江東区)

■午後2時半 ショッピングモールで献血(福岡市)

イオンモール香椎浜の駐車場に設けられた献血会場で献血する人たち(25日午後、福岡市)

イオンモール香椎浜の駐車場に設けられた献血会場で献血する人たち(25日午後、福岡市)

「1~3月と比べると4月は訪れる人が2割減ってしまった。自転車操業で、このまま感染が広がると5月の在庫が危ないかもしれない」。福岡県赤十字血液センターの水津綾乃さんは厳しい状況を訴える。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛の影響で人の集まる場所が減ってしまった。通常4月は新学期の始まる大学などに献血バスを出していたが、今はショッピングモールのスーパーやドラッグストアなどで献血を呼びかける。福岡県内にある5カ所の献血ルームだけでは必要量は賄えず、平日は毎日6~7台の献血バスも県内を回る。感染対策としてバス内では献血者と看護師の間にビニールカーテンを設け、3密(密閉、密集、密接)にならないよう人数制限や換気にも気を配る。

「妻が看護師で少しでも役立ちたいと思った。外出自粛で遊びには行けないので、献血なら有意義」と福岡市在住の出口裕樹さん(37)は話す。ゴールデンウイークも外出自粛が続くが「食料品などの買い物ついでに来ていただければ」と水津さんは呼びかける。

■午後2時すぎ 東京・神楽坂の人通り

19日と比べると人通りが減った神楽坂通り(25日午後、東京都新宿区)

19日と比べると人通りが減った神楽坂通り(25日午後、東京都新宿区)

買い物客らでにぎわう歩行者天国の神楽坂通り(19日、東京都新宿区)

買い物客らでにぎわう歩行者天国の神楽坂通り(19日、東京都新宿区)

東京都新宿区の神楽坂通りにはマスク姿の買い物客らが訪れていたが、日曜日で歩行者天国だった19日と比べると人通りは少なかった。商店街では混雑を緩和するために、人数制限を実施するパン屋や店頭でテイクアウトをする洋食屋なども。近くに住む40代の女性は「スーパーや八百屋に毎日買い物に行っていた。買い物が3日に1度に限られると荷物が重くなって運ぶのが大変。日にちの制限よりは人数制限の方が助かる」と嘆いた。

■午後2時すぎ こいのぼり(埼玉・川越)

人通りが少ない商店街で、空を泳ぐこいのぼり(25日、埼玉県川越市)

人通りが少ない商店街で、空を泳ぐこいのぼり(25日、埼玉県川越市)

人気の観光地、埼玉県川越市。昨年は統計を取り始めた1982年以降で最多の775万人の観光客が訪れたが、今年は市内の名所でも行き交う人の姿は少ない。

500匹以上のこいのぼりに彩られた市内の「大正浪漫夢通り商店街」でも、加盟39店のうち飲食店や土産物店を中心に約8割が臨時休業を強いられていた。

春祭りのイベントで子どもたちが絵付けしたこいのぼりを飾るのが恒例だが、今年はイベントが中止になり、希望者が自宅で絵付けしたものを商店街に持参する形をとった。同商店街で人形店を営む須賀栄治さん(49)は「3月ごろから外国人観光客の姿が見えなくなった。全体の人出は9割以上減っている」とため息をついた。

■午後2時すぎ 東京・駒沢公園

横断幕を掲げて公園の利用自粛を呼びかける東京都公園協会の職員(25日午後、東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園)

横断幕を掲げて公園の利用自粛を呼びかける東京都公園協会の職員(25日午後、東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園)

好天に恵まれた先週末に散歩やジョギングをする人たちで「密集」が見られた東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園では25日、都公園協会職員が「いのちを守るSTAY HOME週間」と書かれた横断幕を掲げ、利用自粛を求めた。職員はコースを周回する人たちに「マスク着用のうえ、人との距離を十分に保ち、滞在は1時間までとするなど、密集密接の防止にご配慮ください」と訴えかけた。同協会によると25日の人出は先週19日と比べ「かなり減っている」といい、マスクの着用率が飛躍的に増えた。男性ランナー(27)は「先週はディズニーランド並みの混雑だったが、今日は走りやすかった」と爽やかに話した。

■午後2時前 埼玉・川越の「蔵造りの町並み」

町歩きを楽しむ人が激減した「蔵造りの町並み」(25日午後、埼玉県川越市)

町歩きを楽しむ人が激減した「蔵造りの町並み」(25日午後、埼玉県川越市)

昨年4月下旬の週末の「蔵造りの町並み」。国内外の観光客や自動車で混み合っていた(埼玉県川越市)

昨年4月下旬の週末の「蔵造りの町並み」。国内外の観光客や自動車で混み合っていた(埼玉県川越市)

城下町として栄え「小江戸」と称される埼玉県川越市。江戸時代の建物が多く残る「蔵造りの町並み」は訪日外国人の人気を集め、昨年の4月は歩行者と自動車が接触しかねないほど混雑していた。

今年は人影がまばらで、自動車が徐行せずに通り過ぎていく。川越一番街商業協同組合の藤井清隆理事長(47)は「商店街の9割以上の店は営業を自粛している。いつ収まる分からない状態で不安が募る」と顔を曇らせる。

■午後1時半 ショッピングモール(茨城・つくば)

専門店街が休館し、駐車場に空きが目立つイオンモールつくば(25日午後、茨城県つくば市)

専門店街が休館し、駐車場に空きが目立つイオンモールつくば(25日午後、茨城県つくば市)

茨城県つくば市のイオンモールつくばでは13日から専門店街が休館している。食料品売り場などは営業しているが、屋上まである駐車場は空きが目立つ。妻と娘と昼食に訪れた同市在住の佐々木崇文さん(46)は「食料品売り場で総菜を買って空きスペースで食事をした。開いているお店が少ないので」と話した。

■午後1時 神奈川県藤沢市の鵠沼海岸

人影はまばらな神奈川県藤沢市の鵠沼海岸(25日午後)

人影はまばらな神奈川県藤沢市の鵠沼海岸(25日午後)

先週末の日曜日には混雑した神奈川県藤沢市の鵠沼海岸は、目に見えて人出が減っていた。海沿いを走る国道に渋滞はなく、地元ナンバーの車がスムーズに流れていた。公営駐車場の入り口には警察官が立ち、訪れた人たちに閉鎖していることを告げていた。通常の休日は多くの人でにぎわう江の島では、ほとんどの店が閉まり、観光客もまばらだった。

■午後1時前 臨時のマスク販売(東京・世田谷)

商店街のスペースを借り、臨時でマスクを販売(25日午後、東京都世田谷区)

商店街のスペースを借り、臨時でマスクを販売(25日午後、東京都世田谷区)

深沢中央商店街の一角では臨時でマスクを販売する様子が見られた。同商店街振興組合の事務所の軒先を借りて輸入販売会社が店を出し、午前中で約4000枚を販売。1枚100円で、在庫は2万~3万枚ほどあるといい、25、26日のみ販売する予定。組合の早瀬修秀理事長は「マスク不足の中、まとまった数を販売できるため事務所前のスペースを提供した。新型コロナウイルスがいつまで続くか分からないが、1枚でも多く地元の人たちに届いてほしい」と話した。

■正午すぎ 大阪・ミナミ

新型コロナ禍前は国内外の観光客でにぎわっていた「黒門市場」だが、人通りはまばら(25日午後、大阪市中央区)

新型コロナ禍前は国内外の観光客でにぎわっていた「黒門市場」だが、人通りはまばら(25日午後、大阪市中央区)

人通りが少ない道頓堀の戎橋(25日午前、大阪市中央区)

人通りが少ない道頓堀の戎橋(25日午前、大阪市中央区)

つい数カ月前までは世界各地から観光客が訪れていた大阪・ミナミ。「なにわの台所」として親しまれる「黒門市場」では、食べ歩きを楽しみに詰めかけていたインバウンド客が途絶えた。青果店を営む安井道代さん(73)は「少しずつ休業する店が出てきた。いつまでこの状況が続くのか」と不安げに話す。

「グリコサイン」がシンボルの道頓堀の戎橋は、連休初日にも関わらず人通りはまばら。飲食店の多くが臨時休業となった商店街には「がんばれミナミ がんばれ大阪!!」のメッセージが連なる。

■正午すぎ 横浜中華街

閑散とする横浜中華街(25日午後、横浜市中区)

閑散とする横浜中華街(25日午後、横浜市中区)

観光客の姿がほとんどなく、閑散とするランチタイムの横浜中華街。半分以上の店舗はシャッターを下ろし、中には閉店した店もあった。

集団感染が起きたクルーズ船が横浜港に停泊していた影響などで、1月末ぐらいから客足が少なくなった。そのころ、中華街の複数の店舗にいわれのない誹謗(ひぼう)中傷の手紙が届き、店主がその内容をSNSで訴えると、全国から応援メッセージが届いた。3月20日、横浜中華街発展会協同組合は、街の顔である善隣門に「みんな ありがとう #がんばれ中華街」の横断幕を掲げた。

臨時の仕事で横浜市保土ケ谷区から訪れた男性(75)は「お昼ごはんを食べようと思って中華街に来てみたら、なじみの店が全部閉店していた。肉まんを販売する店が開いていたので、今日は持ち帰って自宅で食べます」と話した。

■正午すぎ 家族でギョーザ作り(埼玉・川越)

昼食のギョーザを作る高畠さん一家(25日午後、埼玉県川越市)

昼食のギョーザを作る高畠さん一家(25日午後、埼玉県川越市)

埼玉県川越市の高畠靖宏さん(52)の自宅に、子どもたちの無邪気な笑い声が響く。例年のゴールデンウイークであれば車を使い遠出していたが、妻の和子さん(41)は「あるもので工夫しながら過ごそう」と、皆で昼食のギョーザをつくることに。和子さんの手際のよさに、子どもたちからは「お母さん、速いー」と声が上がった。

長女の心海ちゃん(11)は先日1人でクッキーも作ったといい、「うまくいってうれしかった」と楽しそう。靖宏さんは「大変な時期だが、一緒に何かすることで家族の絆が深まる時期でもある」と話した。

■正午前 オンラインでヨガ(東京・武蔵野)

オンラインでヨガのレッスンをするインストラクターの滝嶋牧子さん(25日午前、東京都武蔵野市)

オンラインでヨガのレッスンをするインストラクターの滝嶋牧子さん(25日午前、東京都武蔵野市)

パソコンに向かってポーズを決めるヨガインストラクターの滝嶋牧子さん(35)。新型コロナウイルス感染拡大の影響でスタジオでのレッスンが全て中止になり、3月末から、自宅からでもヨガを手軽に体験してもらおうとヨガのオンライン講座を始めた。「12連休」が始まった25日は、子育て中の女性にマンツーマンでレッスン。「大きく息を吸って、ゆっくり息を吐きながら」と声をかける。スタジオでの参加者は20~40代の女性が中心だが、オンラインに切り替えてからは夫婦や家族で参加するケースが増えたという。滝嶋さんは「自粛生活の中でも充実した時間を過ごす選択肢としてヨガを提案しながら、遠くに住む人など新しい生徒さんとの出会いを期待したい」と目を輝かせる。

■午前11時半 自宅でランドセル「展示会」(千葉市)

自宅でランドセルを試着する砂田孝太郎くん(右)と母親の沙矢香さん(25日午前、千葉市美浜区)

自宅でランドセルを試着する砂田孝太郎くん(右)と母親の沙矢香さん(25日午前、千葉市美浜区)

「重いよー」。実際の通学を想定して2キロの重りを入れたランドセルを背負った砂田孝太郎くん(5)の声が子ども部屋に響いた。春は来年度に小学1年生となる子どものランドセルを探す「ラン活(ランドセル活動)」が盛んな時期。ゴールデンウイーク(GW)は全国で展示会などが開かれ、にぎわうはずだったが、ランドセルを製造・販売する生田(大阪市生野区)は4月の展示会を中止。試してから決めたいという購入希望者の声に応え、肩のベルトが異なる2種類をセットにして全国に貸し出している。受け取った母親の沙矢香さん(38)も「実際に手にとって見られてよかった」と満足そう。ランドセルは返送された後、アルコール消毒して次の希望者に届けられる。

■午前11時すぎ 自宅の庭でマスク作り(東京・杉並)

自宅の庭でマスクを手作りする近藤真由美さん(25日午前、東京都杉並区)

自宅の庭でマスクを手作りする近藤真由美さん(25日午前、東京都杉並区)

自宅の庭にミシンを持ち出してマスクを縫う近藤真由美さん(54)。例年は家族で帰省したり、東京ディズニーランドに行くが、今年は自宅で過ごす。「晴れた日は気持ちがいいので、時々外で作業をします。バッグやアクセサリーはよく作りますが、マスクは今年が初めて。メッセージを添えて親戚や友人に送ったら好評だったので、第2弾用に布と端切れを買い集めました」と笑う。国内外の有名ブランドが製品化するなど、マスクは新しいファッションになりつつある。手作りマスクも人気で、マスク用のダブルガーゼや柔らかいゴム、鼻に当てる部分に縫い込むワイヤーなども手に入りにくい状況が続いているという。近藤さんは「自宅の庭でも気分は軽井沢。家族とゆっくり過ごし、あるもので工夫して楽しみます」と笑顔だった。

■午前11時 衣服などの買い取り増加(東京・大田)

送られてきたアクセサリーを検品する鑑定士(25日午前、東京都大田区)

送られてきたアクセサリーを検品する鑑定士(25日午前、東京都大田区)

依頼人から買い取った品物が積まれたリユース業者の倉庫(25日午前、東京都大田区)

依頼人から買い取った品物が積まれたリユース業者の倉庫(25日午前、東京都大田区)

洋服やブランド品のリユース事業を手掛ける「エコスタイル」(東京都大田区)では、宅配買い取りの利用者が増加している。4月に入ってから前年同月比で4割ほど増えており、毎日、段ボール約50箱分が届いているという。25日も、午前中から鑑定士5人が作業に追われていた。服やバッグ、アクセサリーなどを1点ずつ確かめ、値付けしていた。自宅にいる時間が長くなり家の中を片付ける人が増えているほか、生活への不安からか、宝飾品や貴金属が送られることが増えているという。宅配買取センターの西村剛センター長は「不要なものを片付け家の中をすっきりとすることで、少しでも前向きになれる手伝いができたらと思う」と話した。

■午前10時半 リヤカーでマスク販売(福岡・天神)

リヤカーを引いてマスクを販売する男性(25日午前、福岡市)

リヤカーを引いてマスクを販売する男性(25日午前、福岡市)

福岡市の天神で「マスク在庫あります」とのぼりを掲げた銀色のリヤカーがガタガタと音を立てて進む。スーツ姿の男性がマスクを売り歩く姿に、通り過ぎる人たちは思わず振り返る。4月中旬からJR博多駅や天神周辺で売り歩き、1日約2000枚の在庫はほぼ売り切れる。「立ち止まって販売すると露天商扱いになってしまうため、一日中歩き続けなければいけない」という。価格は10枚1000円で、マスクを購入した男性(75)は「朝からマスクを求めて天神と博多駅のドラッグストアを回っていた。残り3枚しかストックがなかったから助かった」と30枚購入していった。

■午前10時半 三重・伊勢神宮

閑散とした伊勢神宮内宮(25日午前、三重県伊勢市)

閑散とした伊勢神宮内宮(25日午前、三重県伊勢市)

令和が幕を開けた昨年5月1日、多くの参拝客でにぎわった伊勢神宮(三重県伊勢市)

令和が幕を開けた昨年5月1日、多くの参拝客でにぎわった伊勢神宮(三重県伊勢市)

例年、多くの参拝客でにぎわう伊勢神宮。今年は25日から当面の間、参拝時間を午前6時から午後3時までに短縮する。3、4月の参拝客数は大幅に減った。好天にもかかわらずこの日も人の姿はまばらだった。静岡県から訪れた40代の男性会社員は「正直、今なら空いてると思って来た。飲食店には立ち寄らず真っすぐ帰る」と話した。

観光客の姿が消えた伊勢神宮内宮前のおはらい町通り。休業中の土産物店の棚で猫がくつろいでいた(25日午前、三重県伊勢市)

観光客の姿が消えた伊勢神宮内宮前のおはらい町通り。休業中の土産物店の棚で猫がくつろいでいた(25日午前、三重県伊勢市)

伊勢神宮内宮前のおはらい町通りは多くの店舗が休業中で、人通りはない。土産物屋を営む60代の店主は「休業前の3月下旬は、1日店を開けていても売り上げは1000円ほどだった」と話し、今は店舗の定期的な換気や掃除をして過ごしている。

■午前10時すぎ 茨城・ひたち海浜公園

臨時休園中の国営ひたち海浜公園で見ごろを迎えたネモフィラ(25日午前、茨城県ひたちなか市)

臨時休園中の国営ひたち海浜公園で見ごろを迎えたネモフィラ(25日午前、茨城県ひたちなか市)

混雑するはずの通路に来園者の姿はなかった(25日午前、茨城県ひたちなか市)

混雑するはずの通路に来園者の姿はなかった(25日午前、茨城県ひたちなか市)

約530万本のネモフィラが見ごろを迎えた国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)。昨年の大型連休では約58万人の来場者を魅了した青一色の絶景だが、今年は4日から休園し、人影はない。開園の時期は未定だが、来場者を迎えられる日に備え、雑草取りなど植物の世話を続けている。自宅などからでも園内の雰囲気を楽しめるよう、SNSやホームページで花の様子の発信も始め、スイセンの4K動画や花畑を巡る360度映像を公開している。さらに、在宅勤務などで利用者が増えているビデオ会議の背景用画像もダウンロードできるようにした。同園の広報担当は「来年も花は咲かせるので、ぜひ見に来てほしい」と話している。

■午前10時すぎ JR東京駅の新幹線ホーム

利用客が少ないJR東京駅の新幹線ホーム(25日午前)

利用客が少ないJR東京駅の新幹線ホーム(25日午前)

昨年の大型連休初日の東海道新幹線ホーム。古里や行楽地に向かう人たちで混雑していた(2019年4月27日、JR東京駅)

昨年の大型連休初日の東海道新幹線ホーム。古里や行楽地に向かう人たちで混雑していた(2019年4月27日、JR東京駅)

東京駅の東海道新幹線ホーム。例年であれば行楽地やふるさとを目指す人の長い列ができるが、今年はにぎわいが消えた。昨年の大型連休初日は、同駅を午前中に出発する下り列車の自由席がほぼ満席だったが、25日午前は1割程度にとどまっている。ホームで列車を待っていた50代女性は「四国にいる親の介護のために東京を離れざるを得ない」と話した。

■午前9時半 千葉のイチゴ園

イチゴを摘む従業員の女性(25日午前、千葉県山武市)

イチゴを摘む従業員の女性(25日午前、千葉県山武市)

千葉県山武市の相葉苺園は、小売りや加工業者向けに取り扱っていた冷凍イチゴを一般向けにも販売するようになった。新型コロナウイルスの影響でイチゴ狩りの営業を休業したため、多くのイチゴが余ってしまっていた。ツイッターで窮状を訴えるとたちまち多くの人にリツイートされ、その数は2万に。今では生産した分だけ売れていき、在庫はほぼない状態だ。

しかし、園主の相葉英樹さん(49)は「今は方向性が見えない」と厳しい表情を見せる。来シーズンに向け、どの品種の苗をどのくらい準備するか決める時期が近いものの、日々刻々と変わる状況に悩んでいるという。

■午前9時前 井の頭公園

ネットで囲まれ立ち入りができなくなった公園の児童用遊具(25日午前、東京都三鷹市の井の頭公園)

ネットで囲まれ立ち入りができなくなった公園の児童用遊具(25日午前、東京都三鷹市の井の頭公園)

東京都は都立公園の利用自粛を呼びかけ、25日までに駐車場と遊具を閉鎖する措置をとった。気分転換や運動不足の解消のために家族連れらでにぎわい「密集」が見られたためだ。武蔵野市と三鷹市にまたがる井の頭公園では、遊具が設置された区画をオレンジ色のネットで囲み、立ち入りができないようにした。近くに住む会社員の森友暢一さん(30)は妻と2歳の双子の男児を連れて来園。「マスクを嫌がる子どもたちを気遣い、混み合う前の午前7時半すぎに到着した。(子どもたちは)遊具で遊べないのがショックで泣き出してしまったが、それでも屋外で遊べて満足げだ」と話した。青空の下、園内を往来する人はまばら。ベンチやテーブルなどには「公園の利用を自粛してください」という注意書きが掲げられ、マスク着用と1時間以内の帰宅を促していた。

■午前8時すぎ 首都高速

「不要不急の外出は自粛」と表示された首都高速道路の西池袋入り口(25日午前、東京都豊島区)

「不要不急の外出は自粛」と表示された首都高速道路の西池袋入り口(25日午前、東京都豊島区)

「不要不急の外出は自粛」と表示された首都高速西池袋入り口。国土交通省の要請を受け、NEXCO東日本など高速道路各社は4月29日から5月6日の連休中の休日割引を適用していない。サービスエリア内のレストランや土産物店も期間中は営業しない店もある。

■午前7時半 成田空港

閑散とする成田空港の出発ロビー(25日午前)

閑散とする成田空港の出発ロビー(25日午前)

1年前の大型連休初日、海外に向かう人たちで混み合う成田空港の出発ロビー(2019年4月27日)

1年前の大型連休初日、海外に向かう人たちで混み合う成田空港の出発ロビー(2019年4月27日)

閑散とする成田空港。昨年の大型連休期間中には100万人超が出入国したが、人影はまばらでアナウンスがこだまするばかりだ。妻に会いに香港へ出発するという男性(71)は「向こうに着いたらすぐにPCR検査を受けなければならない」と話した。結果が出るまで香港政府が借り上げたホテルに滞在し、陰性が判明しても14日間は自宅待機をする必要がある。「今は本当に大変だ」と言い、保安検査場に向かった。

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