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自宅療養、7府県で1100人 軽症者は原則ホテルへ

(更新)
都が新型コロナウイルスの感染者用に借り上げたホテルの客室(7日)

新型コロナウイルスの感染者数が多い「特定警戒都道府県」のうち、少なくとも7府県で、在宅の患者が約1100人いることが24日、日本経済新聞のまとめで分かった。国は軽症や無症状の場合は自宅療養も選択肢としてきたが、埼玉県で自宅待機中の患者が死亡する例が相次ぎ、原則ホテルなど施設での療養を基本とする方針を示した。自治体はホテルなどの確保を進めるが、医療従事者の不足が懸念されている。

感染が拡大する「特定警戒都道府県」に指定された13都道府県に24日、聞き取り調査した。感染者数が全国で最も多い東京都は、自宅療養者数について「保健所の調査が追いついていない」として公表していない。

自宅療養者の数が最も多かったのが、埼玉県の357人。千葉県では23日現在で271人の患者が自宅にとどまっているが、同県の担当者は「患者には医療機関や県が用意した施設での療養を求めており、自宅にいるのはそれらの施設への待機中のためだ」と説明する。

加藤勝信厚生労働相は24日の記者会見で、新型コロナに感染した軽症者らの受け入れをホテルや宿泊施設を中心にすると表明した。厚労省は病床の逼迫による医療崩壊を避けるため、軽症や無症状の感染者はホテルのほか自宅での療養も検討するよう都道府県に通知していたが、方針を転換した。

きっかけとなったのが相次ぐ自宅療養中の患者の死亡だ。埼玉県白岡市で21日、軽症とされ自宅待機中に容体が悪化した50代男性の死亡が確認された。男性は症状が安定しており、保健所は入院する必要はないと判断し、保健師が毎日電話で体調を確認していた。

23日には同県東松山市でも陽性で自宅待機していた70代男性の死亡が発覚。軽症と診断され病床が空くまで自宅にいたが、14日に容体が悪化して病院に搬送され、その後死亡した。

新型コロナによる肺炎は容体が急変する恐れがある。感染症に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授は「他の疾患の治療で手術を受けて免疫が低下するなどしている人は、症状が急変するケースもある」と話す。

自治体の用意するホテルや宿泊施設は看護師らが常駐するため、容体の急変に対応しやすい。東京都福祉保健局によると、宿泊療養の場合は看護師や都職員が施設内に24時間待機し、体調を1日3回確認する。日中は医師も電話などで対応する。自宅療養は1日2回、保健師が電話で体調を確認するが、中には応じない人もいるといい、容体の把握は難しい。

入院患者を受け入れる病床数が逼迫しつつあるなか、各自治体は軽症者向けにホテルの確保を進めているが、目標数に比べて十分とはいえない。

千葉県は2000室の確保を目指して調整を続けているが、24日正午現在で確保は306室にとどまる。同県は幕張メッセ(千葉市)を臨時の医療施設として活用する検討を始めた。

東京都ではこれまで3棟のホテルで約1560室を確保したが、衛生面での運営上、感染者に使えるのは半分の780室程度にとどまる。足元はまだ余裕があるが「ホテルに配置する医療従事者の確保が難しい」(福祉保健局)という。

実際、ホテルの受け入れ患者数に応じて、現状では1施設で1日あたり計3~7人程度の医療従事者を配置しているが、今後、受け入れ患者数が増えれば、さらなる増員が必要になる見通しだ。

厚労省が方針を転換したものの、感染者が今後、増え続ければ、自宅で過ごさざるを得ない人が出る可能性もある。

ホテル療養進まず

新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊を防ぐため、東京都などは軽症や無症状の感染者のホテル療養を進めてきた。ただ家庭の事情などで自宅療養を選ぶ患者は多い。家庭内感染のリスクもあり、関係者は危機感を強めている。

東京都内では24日時点で、軽症・無症状でホテルに滞在している患者は210人。確保した部屋は3割も埋まっていない。

都は「看護師などの目が行き届いて病状も把握しやすい」とホテル療養を勧めるが、2週間外出禁止の閉鎖環境は敬遠されがち。感染拡大防止のため持ち込み品も制限され、自宅療養を希望する人が多いという。

大阪府も24日までに、ホテル3施設で計1565室を確保したが、滞在中の療養者は1割弱の98人にとどまる。

自宅療養で同居の家族がいる場合、家庭内で感染が広がる恐れもある。都では多いときは新規感染者のうち濃厚接触者の約4割が家庭内感染とみられている。加藤勝信厚生労働相は24日の記者会見で、子育てなどの理由から自宅療養せざるを得ない人もいるとして「患者や家族へのフォローアップをしっかりするよう自治体にお願いしている」と述べた。

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