ドイツ政府、1兆円超の追加対策 雇用対策など拡充
【ベルリン=石川潤】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ドイツのメルケル政権は24日までに雇用対策の拡充などを柱にする追加の経済対策を実施すると決めた。総額は100億ユーロ(約1.2兆円)を超えるとみられる。ドイツ政府はすでにファンド分も含めて7500億ユーロ(約90兆円)規模の経済対策を決定済みだが、よりきめ細かな対応を進める。
柱の一つが、クルツアルバイト(時短勤務)と呼ばれる雇用調整制度の拡充だ。自宅待機となった労働者の給与の6割を政府が補償する仕組みだが、条件付きで4カ月目からは7割、7カ月目からは8割に補償額を引き上げる。時短勤務が長期化しても、ローンの支払いなどに支障が出ないようにする。
このほか失業保険の支給期間の長期化や、営業が持ち帰りなどに限られている飲食店に対して7月1日から1年間、付加価値税(消費税に相当)を軽減することなどを盛り込んだ。さらに、オンライン授業を進める学校に対して、支援が必要な生徒が機器を購入する際に150ユーロ(約1.8万円)を補助できるようにする。
ドイツでは新規感染者数が減少し、小売店の営業再開などが進んでいる。ただ、メルケル首相は23日に「まだ始まりにすぎない」と述べ、ウイルスとの闘いが長期戦になると改めて警告していた。