海外、大量検査の対応強化 PCR 民間連携や簡易法併用

2020/4/23 23:50
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新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようと、海外ではPCR検査の実施に当たり、作業を担う人材と安全の確保や簡易式の機器使用など、幅広い方法でさらに大量の検査の実現をめざしている。日本とはケタ違いの検査件数をこなす国・地域も少なくないが、感染を早期に抑え込んで、経済活動を回復させていくには、まだ足りないとの見方が世界では主流になっており、対応強化を急いでいる。

英オックスフォード大の研究者らによると、4月21日時点で日本の人口100万人当たりの検査件数は1032人。米国は1万2537件と約10倍の開きがある。

米保健省は既に、新型コロナが公衆衛生上の緊急事態を引き起こす可能性があるとして、コロナ診断薬や抗体検査薬、マスクなど特定の物資を米食品医薬品局(FDA)の承認を待たずに緊急使用できるとした。個人でのPCR検査を可能にするため、FDAは4月、簡易検査キットを初めて承認した。

検査を担う人材の確保にも積極的で、医療従事者でドライブスルー型検査に対応できるボランティアを募集した。CNBCによると、医師が1日12時間シフトでドライブスルー検査に従事し、1日に約1千件のサンプルを採取している。

民間の力を活用する動きも日本より早い。ニューヨーク市の公立病院では3月から、民間研究機関と提携して検査数を毎日5千件増やしている。デブラシオ市長は「入院患者の多い病院やドライブスルー施設での検査で民間が政府とコラボレ―ションする」と話した。

それでも米国が経済活動を回復させていくためにはまだまだ検査が足りないとの見方が広がる。ハーバード大は7月にも1日2000万件の検査が必要になると指摘する。官民を挙げて検査体制の拡充や簡易検査キットのさらなる普及などを急ぐ。検査の増加ペースが鈍い日本はさらに差をつけられる懸念がある。

人口100万人当たりの件数が1万1千件超の韓国では、兵役の代わりに地方の保健所などで医師として服務する「公衆保健医」が、多人数を検査できる能力を支える。濃厚接触者の割り出しには、クレジットカード情報や携帯電話の位置情報から感染者の行動履歴を短時間でつかむシステムを構築。中東呼吸器症候群(MERS)に苦しんだ経験を生かした。

香港政府は政府機関による無料検査のほか、希望すれば大学病院などで有料で検査を受けられる柔軟対応をとる。政府は軽度の症状でも積極的に検査を受けるよう市民や民間病院に呼びかける。

4月22日には緊急患者向けに1~2時間で結果判明する新タイプの検査を導入すると発表した。香港の遺伝子検査会社、プレネティクスは英保険大手のプルーデンシャルなどと組んで検査キットの販売を始めた。感染リスクが高いとして病院に行きたがらない人でも簡単に検査を受けられる環境を整え、さらに検査件数を増やす狙いだ。

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