ディスコ 営業益7%増 4~6月 5G関連投資追い風
半導体製造装置を手がけるディスコは23日、2020年4~6月期の連結営業利益が前年同期比7%増の76億円になりそうだと発表した。次世代通信規格「5G」の本格立ち上げに伴い顧客の投資が活発になっている。併せて前期末配当を従来予想の320円から347円(前の期は208円)に引き上げ、年間配当は438円(同322円)になると発表した。
売上高は3%増の337億円を見込む。5G対応のスマートフォンや基地局の本格的な普及を見据え、半導体メーカーが投資姿勢を強めている。データセンターの投資も回復傾向にある。ディスコはシリコンウエハーの切断・研磨装置で世界トップシェアを誇り、中国や台湾の半導体製造の「後工程」の請負会社向けなどの需要が増えている。
出荷額は53%増の491億円を見込む。新型コロナウイルスの影響で従業員の移動が制限され、一部顧客工場で装置の設置・検収作業が遅れている。検収完了時に売り上げを計上するため、売上高への寄与は一部7月以降にずれるとみられる。
純利益は4%減の55億円を見込む。前期に計上した為替差益や助成金収入など営業外収益がなくなる。
同日発表した20年3月期の連結決算は純利益が276億円、売上高が1410億円だった。前期から売上高の計上基準を製品出荷基準から納品先の検収完了時とする基準に変更し単純に比較できないが、前の期と比べると純利益は4%減、売上高は4%減となった。
前期の期末配当を従来予想から27円積み増した。余剰資金を十分に確保していることから株主還元を強化した。
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