イランが米に再び挑発行動 初の軍事衛星打ち上げ成功
艦船の異常接近も

2020/4/23 15:59
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【ドバイ=岐部秀光、ワシントン=中村亮】イランが、対立する米国への挑発的な行動に再び出ている。革命防衛隊は22日、初の軍事衛星の打ち上げに成功したと発表した。米海軍の第5艦隊によると、イランの11隻の艦船が今月半ばに米艦船に異常接近している。イランでは米制裁に伴う経済悪化のさなか、中東地域では新型コロナウイルスの感染者数が最も多い。米国との緊張を演出し、国民の不満をそらそうとした可能性が指摘されている。

イラン革命防衛隊は22日、同国初の軍事衛星の打ち上げに成功したと発表した(イランのタスニム通信提供)=ロイター

革命防衛隊によると、「ヌール(光)」と名付けた軍事衛星は地上425キロメートルの軌道に到達した。軍事戦略上の情報収集に役立てるという。

米国はイランによる核武装や弾道ミサイル技術の獲得を警戒する。ポンペオ米国務長官は国連決議に違反すると述べ「イランには説明責任がある」と指摘した。トランプ米大統領は同日、ツイッターで「米艦船がイランの小型艦から嫌がらせを受けた場合には、そのすべての小型船を撃沈し破壊するよう米海軍に指示した」と述べた。

イラン側の反発は必至だ。艦船接近をめぐってイランは「米艦船がイラン船の航路を妨害した」と主張していた。

米軍は今年1月、革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害した。両国関係が緊張し軍事衝突の瀬戸際まで行った。トランプ政権の誕生で、米イラン間にあった非公式の対話ルートの多くが失われたとみられている。今回のトランプ氏の発言も、さまざまな解釈が可能で、お互いが「レッドライン(越えてはならない一線)」を読み違え、偶発的な衝突に突き進むリスクがくすぶる。

イランは、中部のイスラム教シーア派聖地コムから新型コロナの感染が広がった。これまでに5千人以上が死亡している。情報発信や隔離などの初動対応が遅れたことについて、政府への批判が強まっている。

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