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政府景気判断、11年ぶり「悪化」 4月の月例経済報告

(更新)
テレビ会議で開催された月例経済報告関係閣僚会議に臨む安倍首相(23日、首相官邸)

政府は23日にまとめた4月の月例経済報告で、景気について「急速に悪化しており、極めて厳しい状況」との判断を示した。「悪化」の表現を使うのはリーマン・ショックの影響が残る2009年5月以来ほぼ11年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動の制約が強まり、消費や生産、雇用などの足元の指標が総崩れとなっている。先行きも「極めて厳しい状況が続く」と記した。

同日夕の関係閣僚会議で西村康稔経済財政・再生相が報告した。政府は2月まで「緩やかに回復」としていた景気判断を、3月に「大幅に下押しされている」に引き下げたばかり。急速な感染拡大を受けて、2カ月連続で景気判断を下方修正した。「急速な悪化が続いており、厳しい状況」としていたリーマン危機後の09年2~4月の景気判断よりも厳しい認識を示した。

西村氏は記者会見で「家計や企業の経済活動が急速に縮小する過去に例を見ない、極めて厳しい状況だ」と述べた。

個別の14項目のうち個人消費、輸出、生産、企業収益、業況判断、雇用情勢の6項目で現状認識を引き下げた。

内需の過半を占める個人消費は、判断を2カ月続けて下げ「急速に減少している」とした。判断にあたってはナウキャスト(東京・千代田)がまとめたJCBカードの購買データを参考にした。3月後半の1人当たりの支出は外食が前年同期比14.2%減、旅行が13.8%減となった。家具などの耐久消費財も売れ行きが落ち込んだ。

3月の景気ウオッチャー調査では、飲食やサービス関連で働く人の景況感が急速に冷え込み、リーマン危機を下回る過去最悪の水準に沈んだ。すでに政府は緊急事態宣言の対象を全国に広げ、外出や移動の自粛を徹底するよう求めている。例年なら消費が盛り上がる5月の大型連休も新幹線の予約が前年比9割減となっている。

製造業にも影響が広がっており、政府は生産の現状認識を4カ月ぶりに下げた。

東芝は20日から5月6日まで、工場を含む国内の全拠点の臨時休業を決めた。地方でも外出自粛で、思うように工場を稼働できなくなりつつある。需要減とあわせて生産には打撃だ。内閣府の試算では、世界的な需要減や部品供給の制約で4月の自動車の生産は前年同月から29.1%減る。

雇用情勢は失業者が急増している欧米に比べると落ち着いているようにみえるが、政府は「弱い動きがみられる」と判断した。需要の急激な消失を受け、求人数は製造業を中心に減少している。内閣府がハローワークのオンライン求人票の求人数を集計したところ、4月は23日時点で前年同期比20%減。2月の12%減、3月の16%減から減少幅は拡大している。

関係閣僚会議で配られた資料には「影響が大きい観光・飲食・イベント関連業種での雇用調整助成金の活用がカギ」との一節がある。客観的なデータの分析が中心の月例経済報告の資料では異例の記述で、失業者が増えることへの政府の強い危機感がにじむ。

第一生命経済研究所の新家義貴氏は「経済の正常化はある程度の時間をかけて段階的に進めざるを得ない。景気のV字回復は難しい」とみている。

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