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英大学でコロナワクチン治験開始 1年後終了見込み

3次元プリンターによるコロナウイルスのモデル=ロイター
日経バイオテク

英オックスフォード大学は21日、新型コロナウイルス感染症予防に向け開発中のワクチンについて、今週中に臨床試験(治験)で接種を開始すると明らかにした。新型コロナウイルス感染症に対しては、米国、中国でワクチンの臨床試験が始まっており、それに次ぐものとみられる。

開発中のワクチンは、同大学ジェンナー研究所が開発した弱毒化アデノウイルスを運び手(ウイルスベクター)とし、それに新型コロナウイルスがヒト細胞へ感染する際の足掛かりとするスパイクタンパク質の遺伝子を導入した組み換えウイルスワクチン。接種後に体内でスパイクタンパク質が合成され、スパイクタンパク質に対する中和抗体などができると期待される。

2020年1月10日からジェンナー研究所で設計が開始され、約3カ月半で臨床試験の開始に至った。開発に当たっては、オックスフォード大のバイオ医薬品の開発製造施設で、ワクチン製造の元となるウイルスバンク(ウイルスシード)の樹立や非臨床試験が実施され、治験薬の製造も行われている。ただ、治験薬の製造は今後、提携先のイタリアの企業に移されるとみられる。

米国の臨床試験データベースの登録情報によれば、第1相と第2相の臨床試験は、対象者がどちらのワクチンを接種されたかが分からない単盲検のランダム化比較試験として実施される。対象は、18歳から55歳までの健常者510人。対象者は、開発中のワクチンの1回接種または2回接種(4週間隔)または髄膜炎菌ワクチンの1回接種を受ける。

主要評価項目は、有効性に関しては、その後6カ月間でPCR検査で新型コロナウイルス感染症への感染が確認された発症症例数、安全性に関しては、その後6カ月間における重篤な副作用。終了予定は21年5月。その後、最終段階にあたる第3相臨床試験に移行し、有効性が確認されれば承認申請されるとみられる。

ジェンナー研究所は、中東呼吸器症候群(MERS)に対しても、弱毒化アデノウイルスをウイルスベクターとしたワクチンを開発。英国で実施さた第1相臨床試験では、1回の接種で強力な免疫反応が得られることが分かっている。現在は、MERSの感染が認められるサウジアラビアにおいて、第2相臨床試験が実施されているところだ。

(日経バイオテク 久保田文)

[日経バイオテクオンライン 2020年4月23日掲載]

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