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特許技術の高さが光るセンサー関連銘柄を発掘

工藤特許探偵事務所

写真はイメージ=PIXTA

「企業が保有する特許の経済価値の総和と時価総額(株価)には相関がある」という仮説に基づき、技術力に比べて株価が安い「技術割安株」を、工藤一郎国際特許事務の力を借りて探してみた。

◇  ◇  ◇

今回は「センサー・測定器」関連銘柄から割安株を探してみよう。センサーと測定器はよく似た技術だが、センサーは自動運転分野などでの市場拡大が期待でき、一方、測定器は、その専門性の高さ故、新規参入が難しく、安定した業績が期待できる。以下、「YK値(下図参照)」に対して株価が割安となっている上位4銘柄を紹介する。

ミリ波レーダーカバーの例(ファルテックのサイトより)

第1位はファルテック。自動車の外装部品などを提供している。センサー関連製品で注目なのが「ミリ波レーダーカバー」だ。これは車体前面中央部にあるエンブレムがついている金属調のカバーのこと。自動ブレーキシステムでは、エンブレムの後ろにミリ波レーダー(センサー)を設置するが、当然そのカバーはミリ波を透過する必要がある。ここに高度な技術が必要なのだ。この銘柄は、2019年の自動ブレーキ義務化の決定により株価が急騰したが、まだ割安と考える。

第2位の東京精密は、精密測定機器と半導体製造装置を中心に展開する会社。これらの製品は工場での製造・検査工程の他、様々な工業品の設計の際に使われる。つまり、今まさに工業化を進めている東南アジア諸国などにとって、必要不可欠な製品だ。このような専門性の高い装置は、日本企業に強みがあり、海外市場での成長が期待できる。

第3位の愛知製鋼は、自動車関連の素材メーカー。センサー関連では高性能な電子コンパスに強みがある。電子コンパスとは方角を検知するセンサーで、スマートフォンに使われているほか、自動運転にも関連してくる。これらの分野の市場拡大に合わせ、売り上げを伸ばしていく可能性は高い。

第4位の古野電気は、魚群探知機や航海用レーダーなど船舶用電子機器のトップメーカー。近年では超音波、電磁波を中心としたセンサー技術を応用し、医療分野や情報通信分野にも進出している。海外進出にも意欲的で現地企業の買収や設立が多い点も評価できる。

今回取り上げた銘柄は、いずれもオンリーワンの技術を持つことで存在感を発揮している会社だ。研究開発も活発に行っており、今後も市場をリードしていくだろう。ぜひ注目してほしい。

技術力(特許価値)で割安株を探す方法

「企業が保有する特許の経済価値の総和と時価総額(株価)には相関がある」という仮説に基づき割安株を探す。特許の経済価値は工藤一郎国際特許事務所が開発したYK値を用いる。YK値は、特許出願に対するライバル社からの成立阻止アクションにかかるコストから算出する。
独自に選んだテーマごとに各社のYK値と時価総額を上図のような軸を持つグラフにマッピングすると、妥当と思われる近似曲線が浮かび上がる。この近似曲線から左に大きく離れている企業(図ではA社)は、特許価値、つまり技術力比で時価総額が低い(割安)と考えられる。
工藤一郎国際特許事務所によると、A社の位置は2年ほどかけて近似曲線に近づいていく傾向がある。これは、特許技術が製品化されて収益に寄与。時価総額が膨らむためと考えられる。この連載では、業種ごとの近似曲線から、左への乖離が大きいほど、株価が割安な銘柄として扱う。
工藤一郎(くどう・いちろう)

弁理士。工藤一郎国際特許事務所所長。特許の経済的価値の数値化や、特許価値の比較を容易にする技術業種分類などを開発。
[日経マネー2020年4月号の記事を再構成]
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