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産油国通貨が最安値圏 原油安でCDSも上昇 政府系ファンドの売りに警戒も

2020/4/22 21:50
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原油急落が産油国に影を落としている。採算割れによる経済停滞と財政の悪化が懸念され、メキシコやブラジルなどの通貨は対ドルで歴史的な安値圏で推移する。信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でも「保証料」が軒並み悪化。市場では政府系ファンド(SWF)による保有株式などの換金売りに対し、警戒感も高まっている。

メキシコの通貨ペソやブラジルのレアルは対ドルで過去最低水準で推移している。マレーシアのリンギも約3年ぶりの安値水準だ。ロシアのルーブルも約4年ぶりの安値に迫る。資源国の新興国では、新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が混乱した3月につけた安値から持ち直しつつあったが、再び下落基調にある。

国や企業の信用力を映すCDSの保証料率は今週に入り、サウジアラビアやロシア、ブラジルなどの指標が軒並み悪化し、昨年末と比べて3倍以上になった。保証料率の上昇は、投資家が破綻する可能性を意識していることを示す。

ニューヨーク原油先物相場では20日に、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が史上初のマイナス値をつけた。国際指標の北海ブレント先物も足元で20ドルを割って推移するなど、原油価格は下げ止まりの兆しがみえない。

国際通貨基金(IMF)によると、各国の財政均衡に必要な損益分岐点はサウジアラビアやオマーンなど主要国で1バレル80ドル程度で、「長期化すれば産油国家の財政に深刻な影響が出てくる」(ピクテ投信投資顧問の松元浩氏)とみられる。

通貨は「原油の輸出や国営石油企業による収入が減少し、財政に大きな穴が開く」(SMBC日興証券の平山広太氏)との懸念から売られている。ドル建て債務の大きい新興国で通貨安が進めば、返済負担が増し、さらに財政悪化につながるという悪循環になる。

「財政赤字に窮したオイルマネーの換金売りに警戒が必要」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との声もでる。過去に原油価格が急落した2014~15年にも中東産油国のSWFが日本株を売却した。換金売りが広がれば、金融市場の新たな波乱要因になりかねない。

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