3年?5年? 真の長期投資は年数では計れない
積立王子への道(3)

積立王子
2020/4/23 2:00
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投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

投機と投資、どう違う?

真の長期投資家になるチャンスがあるハジメくんのような若者には、まず「投機」と「投資」の区別を理解して進んでいってもらいたい。この違いをちゃんと理解しておくことが投資家人生の第一歩なんだ。

ハジメくんの友達の友達だっけ?が「億り人」になったという暗号資産(仮想通貨)や外国為替証拠金取引(FX)が典型的事例だけど、株式投資でも「株式投機」はある。相場の日々の値動きの中で勝負して勝とうとする行為は、投資ではなく単なる取引。全て投機的行為といっていい。

相場で勝ちにいくとは

株式の短期取引のケースで考えてみよう。相場で勝ちにいくとはどういうことか。

これから値段が上がるか下がるかを予測して当てにいくことだよね。あるいはすぐ値上がりしそうな銘柄を買って予想通り上がったらすぐ売却。そういう行為を繰り返してもうけを増やす……といった感じだよね。

いずれにしても日々の株価の動きを「読む」わけだけど、株価なんて市場参加者の多くが「買いたい」と思えば上がるし、逆に「売りたい」と思う人が多ければ下がる、それだけのことなんだ。

非合理な感情の集積が株価なんだ

じゃ、どっちが多いか分かればいいって? それが無理なんだ。市場の参加者の心の中には「もうけたい」という欲望や「損したくない」という恐怖が渦巻いている。日々の株価とは彼らの感情の集積に他ならない。しかも合理的な感情ならともかく、集積しているのは非合理的な感情だ。そんなものをあらかじめ予測できると思うかい?

そりゃ、たまたま「当たる」ことはあるだろう。でも再現性はない。非合理な動きをする短期的な株価に依存する短期売買はやっぱり投機。ギャンブルと同じだね。

長期投資は年数じゃない

最初のハジメくんの疑問「長期って何年?」に戻ろう。毎日売った買ったの投機から比べれば1年でも長く感じられるかもしれない。一定のメドとして3~5年をあげる人もいる。でも、僕が伝授したい本当の長期投資は年数で計るものじゃない。結果としてついてくるもの、本物の投資をすれば自然と期間は長くなる――そういうことなんだ。では本物の投資って? 次回はそこから説明しよう。

中野晴啓(なかの・はるひろ)

セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。

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