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新型コロナに既存薬、AIで探索 解析結果を数週間で

日経バイオテク

人工知能(AI)を利用し情報解析などを手掛けるFRONTEOは、AIを利用した新型コロナウイルス感染症に対するドラッグリポジショニング(既存薬の転用)の研究を開始すると17日に発表した。AIを活用して、新型コロナウイルス感染症に関連する標的分子などを探索する。疾患の原因分子や発症メカニズムなどを可視化するために、同社が独自開発したAIシステムの「Cascade Eye(カスケード・アイ)」を利用する。早ければ数週間以内に解析結果が公表されるとみられる。

Cascade Eyeは、AIが疾患に関係する分子や遺伝子などの情報を短時間で解析し、それらの関連性などをパスウェイマップ(経路図)状に可視化するシステムだ。具体的には、同社のAIエンジンである「Concept Encoder(コンセプト・エンコーダー)」が、米国の文献情報データベースである「PubMed(パブメド)」の医学系論文および、ゲノム情報や標的分子、医薬品の情報などを蓄積した海外のデータベースである「Open Targets(オープンターゲット)」にアクセス。膨大な文章やデータの中から、重要なデータを抽出したり、疾患と標的分子の関連性やメカニズムなどを解析したりして、パスウェイマップを作製する。今回Cascade Eyeを利用して、新型コロナウイルス感染症に関連する標的分子などをまとめたパスウェイマップを作製する。

作製されたマップは、新型コロナウイルス感染症の治療薬の開発者向けに、プレスリリースなどの形で公表する予定だ。製薬企業などが、マップ上の標的分子の情報などを参考にし、ドラッグリポジショニングに活用することを想定している。同社の広報担当者は、「同システムではAIが瞬時に判断するので、パスウェイマップの作製にはそこまで時間はかからないだろう」と説明しており、結果の公表は早ければ数週間以内とみられる。

(日経バイオテク 三井勇唯)

[日経バイオテクオンライン 2020年4月21日掲載]

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