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シンガポール原油取引大手、経営危機に

価格下落で資金繰り悪化

【シンガポール=中野貴司】シンガポールの石油取引大手、ヒンリョン・トレーディングが経営危機に陥っている。原油価格の下落や取引銀行の審査の厳格化で資金繰りが行き詰まったとみられる。ヒンリョンはグループで大量の石油タンカーも保有する。石油取引や輸送・燃料補給のハブとして知られるシンガポールの業界全体に今後、影響が広がる恐れもある。

シンガポールはエネルギー取引や燃料補給のハブとして知られている=ロイター

ロイター通信などによると、ヒンリョンは22日までに、40億ドル(約4300億円)に上る債務支払いの猶予を裁判所に申し立てた。会社側は経営危機に陥った理由を明らかにしていないが、石油需要の急減により収益が悪化し、債務返済のメドがたたなくなった可能性がある。

地元紙ビジネス・タイムズはヒンリョンが過去数年間にわたり、先物取引による8億ドル相当の損失を隠していたと報じた。直近の原油価格の下落が、積年の自転車操業にとどめを刺した、というのが真相のようだ。

ヒンリョンの創業者であるリム・オーンクイン氏はシンガポールの石油取引業界を代表する経営者だ。ヒンリョンの経営危機は原油安に苦しむ石油関連業界を象徴する。銀行は先行きが不透明な石油取引や輸送会社への融資に慎重姿勢を強めており、中小業者の倒産が今後、相次ぐ懸念が広がっている。

シンガポール政府は悪影響が波及しないように腐心する。シンガポール金融通貨庁(MAS)は21日、銀行に対し一律にリスクを回避せず、融資可能な企業には資金供給を続けるように念押しした。シンガポール企業庁なども「国内には130以上の石油取引会社と43の燃料補給会社があり、業界は活発な事業を続けている」と強調する。

シンガポールはアジアのエネルギー取引のハブとしての地位を維持することを目指している。ただ、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で大半の業界が打撃を受け、エネルギー業界も例外ではなくなっている。

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