米、4800億ドルの追加対策合意 中小企業の給与補填増額

2020/4/22 5:28 (2020/4/22 7:37更新)
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新型コロナ対策で営業休止中のレストラン(ニューヨーク州)=AP

新型コロナ対策で営業休止中のレストラン(ニューヨーク州)=AP

【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権と与野党の議会指導部は21日、4840億ドル(約52兆円)の追加の新型コロナウイルス対策で最終合意した。中小企業の雇用対策などに3700億ドルの追加資金を用意し、医療体制の整備にも1000億ドル強を投じる。上院は関連法案を同日可決。下院も23日に通過する方向だ。これまでの3回の経済対策と合わせ、財政出動は3兆ドルに迫る。

トランプ大統領は21日の記者会見で「中小企業に追加資金を供給するため、迅速に関連法を成立させる。その後はすぐに『経済対策第4弾』の議論に入るつもりだ」と表明した。同席したムニューシン財務長官は「これまでの中小企業の資金支援で既に3000万人の雇用維持につながった」と政策効果を強調した。

追加対策の柱は、中小企業への資金支援の拡大だ。3月末に成立した2.2兆ドルの経済対策には、中小企業の給与支払いを補填する3500億ドルの雇用対策を盛り込んだ。今回はさらに3100億ドルを追加。資金規模は6600億ドルと当初の1.9倍に増える。

中小の雇用対策費は開始2週間で上限に達して受け付けを停止していた。追加資金を用意して早期に支援を再開する。従業員500人以下の中小企業が主に対象で、全米の雇用の5割弱を占める。対象企業は500万社とされるものの、これまでの支給は160万社にとどまっていた。中小企業向けには緊急補助金も600億ドル追加する。

医療機関には新たに750億ドル分の政府資金を用意し、不足する人員や器具を増強する。経済活動の早期再開に向けて、新型コロナの検査体制の整備にも250億ドルを充てる。追加経済対策は当初、中小企業の支援を中心に2000億~2500億ドル規模を想定していたが、野党・民主党の要求で大幅に増額した。

米政権と議会は3月上旬にワクチン開発などに83億ドルを投じた経済対策第1弾を決め、3月下旬には第3弾として2兆2000億ドルの大型対策を成立させた。今回は第3弾を拡充する「3.5弾」との扱いで、合計の財政出動は約2兆8000億ドルに膨らんだ。年間歳出(4.4兆ドル)の6割に相当する巨額の臨時支出となる。

ただ、米経済はそれでも「4~6月期に年率換算で前期比28%超のマイナス成長となりそう」(米議会予算局)だ。4%台だった失業率も4月中に10%を突破しかねず、トランプ氏は21日に「地方でのインフラ投資や給与税の減税など、次策の議論を開始する」と表明し、経済対策第4弾に着手する考えを強調した。実現すれば財政出動は3兆ドルを超えそうで、異例の政策対応が続くことになる。

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