防衛省、辺野古の設計変更申請 地盤強化へくい7万本

2020/4/21 14:40
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防衛省は21日、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事の設計変更を県に申請した。埋め立て海域の北東側で軟弱地盤のエリアが見つかったため、地盤強化の杭(くい)を7万本超打ち込むほか、工事を効率良く進められるよう工程を変えた。

普天間返還は2030年代以降にずれ込む。河野太郎防衛相は21日の記者会見で「工事を着実に進める。普天間基地の一日も早い返還を実現し危険性を除去することにつながる」と語った。

県は申請を認めない構えだ。玉城デニー知事は「工事の手続きを一方的に進めようとしており、納得できない」と批判した。申請を許可するかどうかは「法令にのっとり厳正に対応する」と述べるにとどめた。

改良工事は約7万1千本の杭を深さ最大約70メートルまで打ち込む。護岸の配置を見直し、土砂をためておく揚土場も追加した。一部の作業ヤードの設置を取りやめ、埋め立て面積は当初計画の約157ヘクタールから約152ヘクタールに修正した。

工事で使う土砂は県内で必要量を調達できるという。県は外来種の持ち込みを懸念して県外の土砂使用に規制をかける構えをみせており、こうした対抗策に備える。

政府は13年12月、公有水面埋立法に基づく埋め立て承認を当時の仲井真弘多知事から得て事業を進めてきた。18年12月に埋め立て海域の南西側で土砂投入にこぎつけた。軟弱地盤の存在が分かり、対応を迫られていた。

防衛省は有識者会議を設置し、改良工事を議論してきた。4月1日の会議後「必要な技術的検討を終えた」と説明した。

同省は19年12月、一連の追加工事により、飛行場整備を含めた事業完了までに必要な期間が約12年になるとの見通しを示した。軟弱地盤の改良工事を含む工期が9年3カ月、施設整備などに3年かかると説明した。22年度以降と見込んでいた普天間返還は少なくとも30年代以降にずれ込む。

玉城知事は工事の設計変更を認めない方針で、訴訟に発展する公算が大きい。約12年の工期は県の承認後を起点としており、認められなければ供用開始は一層遅れる。防衛省は総工費が従来見通しの2.7倍にあたる約9300億円と予測する。

沖縄県内は6月に県議選を控える。いまは辺野古移設反対派が過半数を占めている。自民、公明両党などの保守系が上回れば玉城氏の戦略に狂いが生じる。反対派が引き続き過半数をとれば県の方針が支持されたことになる。

政府が辺野古移設にこだわるのは、日本を取り巻く安全保障環境の変化があるためだ。中国は軍事費を増やし、海洋進出に力を注ぐ。4月11日に中国海軍の空母「遼寧」など計6隻が沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向けて航行した。

沖縄はアジア太平洋の要衝で、機動力のある米海兵隊の拠点の存在が中国への抑止力になる。自衛隊も沖縄への部隊の配備を強化している。

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