軽症者向けホテル「21万室確保」 入居可は6000室
医療従事者集め難航

2020/4/20 22:01 (2020/4/21 4:22更新)
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入院中の医療機関から療養先となるホテルに到着した人たち(中央)(15日午後、さいたま市)=共同

入院中の医療機関から療養先となるホテルに到着した人たち(中央)(15日午後、さいたま市)=共同

新型コロナウイルス対策担当の西村康稔経済財政・再生相が、感染者のうち軽症や無症状の人の受け入れ先として全国で21万室を超えるホテルを確保したと明らかにした。家族への感染を避けるための受け皿としても期待されるが、看護師が常駐するなど入居可能な部屋は6000室にとどまる。運営にあたる自治体には施設と人員を同時に確保する取り組みが求められている。

西村氏は20日の記者会見で、軽症者や無症状の人について「家族への感染リスクが広がる」と述べ、ホテルでの療養を原則にする方針を示した。そのうえで「全国のホテルで『提供してもいい』という部屋数を合計すると21万室を超える」と話した。

厚生労働省によると、2019年3月時点の全国のホテル・旅館の客室数は約164万室で、21万室は単純計算で1割以上を確保したことになるが、西村氏は、このうち看護師が常駐するなど「体制が整っている」部屋が6000室だと説明した。

厚労省は4月2日、軽症者向けの宿泊施設の準備を求める自治体向けの通知を出した。観光庁によると、ホテルなどに受け入れの協力を求め、手を挙げたホテルの情報は厚労省を通じて各自治体に提供されている。

東京都が7日に東京駅近くのホテルでの受け入れを開始して以降、多くの自治体がホテルなどの確保を進めており、厚労省によると、16日までに30都道府県が準備を始めたという。

同省は宿泊療養マニュアルなどで、施設には保健師や看護師を配置するほか、血液中の酸素の状態や呼吸数を確認できる小型の検査機器を配布するなどし、健康状態を把握するよう求めている。しかし、スタッフの手配を含め、軽症者らの受け皿としての環境が十分に整わず、稼働できない部屋は少なくない。

大阪府は14日から、大阪市内のホテル1棟で受け入れを始めたが、利用できる客室数400室に対し、19日時点で利用している患者は37人にとどまる。府担当者は「受け入れ人数を100人や200人と増やしていくためには、医療関係者の数を増やす必要があるかもしれない」と話す。

東京都の場合、ホテル3棟で1560室を確保しているが、衛生管理上、感染者が入居できるのは780室だという。入院中の感染者の8割にあたる約2200人が受け入れ対象の軽症者らとみられており、既に部屋数は不足している。都は確保を急ぐため、14~20日に協力してくれるホテルを公募したが「配置する医療従事者を集めるのが難しい」(福祉保健局)のが実情だ。

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