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全米で経済活動再開を模索 自粛反対デモも頻発

【ワシントン=中村亮】全米の各州が新型コロナウイルス対策のために打ち出した経済活動の自粛を緩める構えを見せてきた。長引く都市封鎖に反発し、州知事に緩和を求める市民らのデモも相次いでいる。だが、拙速な経済再開は感染拡大の再発につながるとの指摘もある。米国で感染者が最も多い東部のニューヨーク州は20日に抗体検査を始める。集めたデータを基に再開時期を探る。

19日、米ワシントン州オリンピアで、ガスマスクを身につけ、外出禁止令の延長に抗議する市民ら=ロイター

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は19日の記者会見で、同州で感染拡大が鈍化していると指摘した。「この傾向が続けば感染のピークを越えたことになる」と述べ、経済再開に向けた次のステージとなる1日2000人規模の抗体検査の20日開始を表明した。同州は5月15日まで都市封鎖を続ける。その後はデータに基づいて感染の全容を把握し、周辺州とともに経済再開の時期を精査するとみられる。

ホワイトハウスは16日、感染者が少ない地域から経済活動を3段階で進める指針を発表した。具体的な再開時期や内容は各州知事に委ねた。

米メディアによると南部のフロリダ州では17日、一部のビーチが時間限定で解放された。同テキサス州は24日から州内の店舗の再開を認める。中西部のオハイオ、ミシガン両州は5月1日にも経済再開に踏み切る方針だ。トランプ米大統領は「(全米50州のうち)29州が早期に経済を再開できる」と説明している。

長引く外出規制に反発する市民らのデモも相次いでいる。19日には西部のワシントン、コロラド両州で抗議デモが起きた。ほかにも南部のバージニア州、中西部のミネソタ、オハイオ両州でも同様の抗議行動がみられた。デモ参加者の多くは日常生活への政府介入を嫌う保守派だとされる。

複数の保守派団体は「SAVE OUR COUNTRY(我が国を救おう)」という運動を近く共同で始める。全米の草の根ネットワークを生かし、経済再開の重要性を訴え、各州知事に「安全かつ迅速な経済活動の再開」を促す計画だ。

トランプ氏も保守派の行動を支持する。17日には抗議デモが起きた州について「(州を)解放せよ」とツイッターに投稿した。同日の記者会見でも「一部の州で実施している都市封鎖は厳しすぎる」と指摘し、デモ参加者を擁護した。

一方、多くのデモ参加者はトランプ政権が求めている、ほかの人と一定の距離を保ち感染を防ぐ「社会的距離(ソーシャルディスタンス)」を確保していない。デモに参加していない米国民には早期の外出規制緩和に対する懸念も根強い。NBCテレビなどが実施した最近の世論調査では「あまりにも早い規制緩和を懸念する」との回答が58%で、「規制緩和まであまりにも長い時間がかかることを懸念する」(32%)を大きく上回った。

トランプ政権は経済再開に向けて新型コロナの感染の有無を調べる検査体制の強化を急ぐ。トランプ氏は19日の記者会見で、検査に使う医療器具を国防生産法に基づいて増産する考えを表明した。同法を使うと政府が民間企業に特定の物資の生産を強制できる。ホワイトハウスは20日に全米の州知事とテレビ会議を開き、検査の拡大について意見を交わす予定だ。

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