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南シナ海では実効支配強化、中国

【北京=羽田野主】各国が領有権を主張する南シナ海では、中国が実効支配を一段と強めている。同地域に新たな行政区を設けたほか、空母「遼寧」をはじめとする艦隊が軍事訓練を実施。東南アジア諸国連合(ASEAN)や米国が新型コロナウイルスへの対応に追われるなか、関係国との摩擦がますます激しくなりそうだ。

中国民政省は18日、海南省三沙市のもとに「西沙区」と「南沙区」を新たに設置した。南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島とその海域を「西沙区」が、南沙(同スプラトリー)諸島とその海域を「南沙区」がそれぞれ管轄する。

西沙区政府は永興(英語名ウッディー)島に置き、中沙諸島も代理で管轄する。南沙区政府の所在地は永暑(同ファイアリクロス)礁となる。いずれも中国が軍事化を進めている拠点だ。これまでは三沙市が南シナ海の諸島全域を管轄すると主張してきたが、行政区を細分化して支配権の強化を示す狙いがある。中国外務省の耿爽副報道局長は20日の記者会見で「中国が西沙・南沙諸島とその周辺海域に主権を持っている」と主張した。

中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部は3月以降、南シナ海への影響力を強める動きに出ている。中国国営の新華社によると、3月に南シナ海の南沙諸島に「放射線環境自動観測ステーション」を完成させて試験運用を始めた。

4月に入ると中国海警局の船がベトナム漁船に体当たりさせて沈没させた。4月中旬には中国の空母「遼寧」をはじめとする艦艇が南シナ海で訓練をした。

中国が強硬姿勢に切り替えたのは、習氏が3月10日に武漢市を視察し「ウイルス拡散の勢いは基本的に抑え込んだ」と表明した時期と重なる。米欧日や東南アで感染が広がり、各国は対応に追われるようになった。北京の外交筋は「中国がすきを突く形で実効支配を強めている」と指摘する。

関係国は反発を強めている。西沙・南沙両諸島の領有権を中国と争うベトナムの外務省報道官は19日、地元メディアに「ベトナムの主権への侵害で強く反対する。間違った決定を取り消すべきだ」とコメントし、中国側の行為を非難した。

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