河井案里氏秘書、起訴内容の認否留保 広島地裁初公判

社会・くらし
2020/4/20 13:43 (2020/4/20 19:26更新)
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広島地裁(20日、広島市)

広島地裁(20日、広島市)

自民党の河井案里参院議員(46)が初当選した2019年夏の参院選で車上運動員に違法報酬を払ったとして、公職選挙法違反(買収)罪に問われた案里氏の公設秘書、立道浩被告(54)の初公判が20日、広島地裁(冨田敦史裁判長)であり、同被告は起訴内容の認否を留保した。

検察側は冒頭陳述で、車上運動員に陣営で働くよう直接依頼するなど、案里氏の夫の克行前法相(57)の選挙活動についても言及した。

弁護側は「罪状認否は次回以降の公判で明らかにする」と述べた。捜査関係者によると、立道被告は捜査段階で容疑を認めており、5月19日の次回公判で起訴内容を認めるとみられる。

検察側の冒頭陳述によると、克行氏と案里氏が車上運動員に案里陣営で働くよう直接頼んでいた。案里氏は知人に車上運動員の紹介を頼んだり、立道被告に車上運動員の交代を求めたりしていたという。

立道被告は遊説担当の責任者として、日程やルートを企画・立案。立道被告は案里氏と克行氏の了解を得た上で、車上運動員に計画を周知していた。同罪で起訴された克行氏の政策秘書、高谷真介被告(43)らと協議しながら、車上運動員への法定上限を超える報酬額を決めたとしている。

公選法は選挙の計画立案や調整する人物を「組織的選挙運動管理者」として、連座制の対象に規定している。広島地検は押収した資料や供述などから、立道被告が同管理者にあたると判断。同被告の禁錮以上(執行猶予含む)の刑が確定し、広島高検が起こす行政訴訟で適用対象と認められれば当選は無効となる。

広島地検は公選法に基づき、迅速に審理する「百日裁判」を申し立てた。6月30日までに判決が言い渡される見通しだ。

起訴状によると、立道被告は19年7月19~23日ごろ、14回にわたり案里氏の選挙事務所などで、選挙カーでアナウンスする車上運動員14人に計204万円を手渡すなどし、日当1万5千円の法定上限を超える報酬を支払ったとしている。

地元に広く資金提供か 前法相の関与焦点に

河井案里参院議員が初当選した2019年7月の参院選を巡り、広島地検の捜査は地元政界に広く及んでいる。一部の首長や地元議員は案里氏の陣営側から現金を受け取ったことを認めており、資金が地元に幅広く配られていたとみられる。案里氏の夫で前法相の克行氏が直接資金を提供したケースもある。克行氏の関与や資金の趣旨などの捜査も焦点となる。

広島地検は20日までに、案里氏の県議時代に同じ会派に所属していた県議3人の事務所などを家宅捜索し、陣営側からの現金提供の有無について調べている。ほかに複数の県議や首長からも任意で事情聴取した。

安芸太田町の小坂真治町長は19年4月下旬ごろ、克行氏から現金20万円が入った封筒を受け取ったことを認め、9日に辞職した。陣営関係者は「克行氏が案里陣営の選挙運動を仕切っていた」と話す。

一方、参院選公示前の19年4~6月、案里氏と克行氏が代表を務める各政党支部の口座に自民党本部から振り込まれた計1億5千万円の使途も焦点の一つだ。陣営側が幅広く金を配り、票のとりまとめを依頼した可能性が浮上している。

自民党が広島選挙区で案里氏の公認を決めたのが19年3月。克行氏からの現金提供を認めた県議らには、19年4月7日投開票の県議選の「当選祝い」との認識を示した議員もいるとされる。

ある検察OBは「政治資金としての寄付でなく、選挙活動への謝礼と認定できるかが捜査のポイントだ。現金の授受があった時期や趣旨をどこまで特定できるかが重要になる」と指摘する。

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