3月輸出11.7%減、新型コロナで 米欧向け自動車急減

2020/4/20 8:54 (2020/4/20 10:49更新)
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財務省が20日発表した3月の貿易統計速報によると、輸出額は6兆3578億円と前年同月に比べ11.7%減少した。下げ幅は2016年7月以来3年8カ月ぶりの大きさ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞で、米国やドイツ向けの自動車輸出が落ち込んだ。4月以降、世界で感染は一段と広がっており、影響がより深刻になる懸念が強い。

輸出は米国、欧州、アジアのすべての地域向けが減少した。対米輸出額は16.5%減の1兆1820億円と特に落ち込みが大きかった。東日本大震災の直後だった2011年4月以来のマイナス幅となった。自動車に加え、航空機エンジンなどの原動機や建設・鉱山用の機械が急減した。欧州連合(EU)向けも対ドイツの自動車を中心に11.1%減の6336億円となった。

新型コロナの影響は完成車だけでなく、サプライチェーン(供給網)全体に及んでいる。中国向けは8.7%減の1兆1905億円だった。特に自動車部品の変速機や半導体製造装置の落ち込みが大きい。アジア全体も9.4%減り、3兆4529億円となった。

輸入額は全体で5.0%減の6兆3529億円。2桁減だった2月と比べるとマイナス幅は縮まった。2月にほぼ半減していた中国からの輸入が3月は4.5%減にとどまり全体の落ち込みを和らげた。中国国内の生産活動が一部再開したためとみられる。携帯電話の輸入も増えた。

米国からは航空機類や医薬品が伸びて1.3%増の7452億円となった。EUからは9.7%減の6709億円となったが、アイルランドなどからの医薬品の輸入は増えている。

全体の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は49億円の黒字だった。2カ月連続で黒字を維持したものの、2月と比べて黒字幅は大幅に縮小した。

財務省が同日発表した2019年度の貿易統計は、輸出が前年度比6%減の75兆8800億円。輸入が6.3%減の77兆1712億円だった。貿易収支は1兆2912億円の赤字。貿易赤字は2年連続だった。

新型コロナによる世界の死者は足元で16万5千人。最初に感染拡大が始まった中国から欧米などに影響が広がっている。イタリアは3月中旬、スペインや米国では3月下旬から急速に感染者が増え始めた。民間調査会社による自動車の販売予測などは足元でも下方修正が続いており、4月以降の貿易統計はさらにコロナ禍の影響が色濃く出る可能性がある。

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