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バイク、ミシンが列をなす コロナが変える消費の風景

ずらりと並ぶ宅配用の三輪スクーター。出荷や貸し出しに向けた点検に追われる(17日、東京都西東京市のオートアベニュー)

新型コロナウイルスの感染拡大により、消費の現場に変化が起きている。緊急事態宣言の発令による外出の自粛で宅配需要が増えたことから三輪スクーターに注文が集まり、マスクを自作できる家庭用ミシンの売り上げは3倍に。買い物時の人と人との接触を抑えようとドライブスルー形式で青果を販売する試みも始まった。様変わりした消費をめぐる風景を、写真と映像で追う。

宅配用バイク、注文急増

ピザや弁当の配達に使う屋根付き三輪スクーターが所狭しと並ぶ。新車・中古車販売のオートアベニュー(東京・西東京市)では販売やリース・レンタルの注文が3月から4月上旬にかけ前年比の3倍以上に伸び、出荷や貸し出しに向けた点検に追われている。外出の自粛で「巣ごもり」需要が高まったことから問い合わせが急増。ファミリーレストラン「ガスト」などを展開するすかいらーくホールディングスなど大手からの増車要請のほか、新たに三輪スクーターによる宅配を検討する個人営業の飲食店からの発注も増えている。

ここ2カ月の問い合わせは昨年比6~7倍。1年分の問い合わせが2カ月で来ている状態だ

レンタルを決めた横浜市のすし店「立ち食い鮨 鈴な凛(すずなり)」の関明彦店長は「土日は出前のみの営業となり売り上げが半減した。広範囲に配達できるスクーターで挽回したい」と意気込む。オートアベニューの伊藤理香社長は「困っている飲食店の力になりたい。5月からは個人事業主の配達員にも対応していく」と話す。

マスク不足 家庭用ミシンに脚光

次々と検品される家庭用ミシン(16日、大阪市のアックスヤマザキ)

不足するマスクを家庭で自作しようとする動きが広がっている。ミシンメーカーのアックスヤマザキ(大阪市)は4月の受注台数が昨年に比べ3倍以上に増えた。新たに従業員を雇うなどして4割増産したが生産が追いつかない。本来の需要期である入園入学シーズンが過ぎているにもかかわらず、5月まで予約を休止せざるを得ない状態だ。

売れ筋は税別1万円のシンプルな製品。ミシン本体に貼れるシール型のQRコードが付き、スマートフォン(スマホ)で読み取るとマスクの作り方などが動画で再生できる。針部分を覆う安全カバーをスマホ置きにするなど、使い勝手も工夫した。山崎一史社長は「自宅で過ごす時間が増え、ミシンがコミュニケーションのきっかけになれたらうれしい」と近年、需要が落ち込んでいたミシンの魅力復活に期待する。

付属するQRコードを読み取ると、マスクの作り方が動画で再生できる

接触防止、ドライブスルーで

買い物時の人と人との接触による感染リスクを極力減らそうと、ドライブスルー形式で青果を販売する試みが始まった。手掛けるのは青果卸売のフードサプライ(東京・大田)。「スーパーで買い物するのが怖いという主婦の声を聞き、安全に野菜を届ける方法がないかと考えた」と発案者である竹川敦史社長は話す。多くの取引先の飲食店が休業したために出荷できず行き場を失った業務用の野菜を一般向けに販売することにした。

全国の契約農家などから届いた野菜や果物、コメを詰め合わせて販売(16日、東京都大田区)

誘導に従って指定の場所に車を停めると、手袋を着けたスタッフがすぐさまトランクに野菜の詰まった段ボール箱を運びこむ。所要時間はわずか1分。会計も乗車したままだ。この日は19種類の青果が入った600箱を用意した。価格はコメとセットで5000円。一般的なスーパーで購入するよりも2割ほど安くしているという。主婦の海老沢真由美さん(56)は「人混みは避けたいのでこれからも利用したい」と話す。同社は飲食店の営業自粛が終わるまで続けていくとしている。

(写真映像部 三村幸作、石井理恵、笹津敏暉)

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