ムーディーズ、メキシコを格下げ
【メキシコシティ=宮本英威】米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、メキシコの外貨建て長期債務格付けを「A3(シングルAマイナスに相当)」から「Baa1(トリプルBプラス)」に1段階引き下げたと発表した。ロペスオブラドール政権の民間企業に厳しい政策を受け、中期的な経済成長への期待が「弱まっている」と判断した。

今後の見通しは「ネガティブ」とした。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政策は「国内総生産(GDP)比1%以下で十分な規模ではない」と指摘した。
メキシコの格付けを巡っては、S&Pグローバル・レーティングが3月26日に、フィッチ・レーティングスは4月15日にそれぞれ引き下げていた。この日の発表で、新型コロナの感染拡大後の局面で、大手3社が格下げしたことになる。
メキシコの財務公債省は17日夕方、大手3社の格下げを受けて声明文を公表した。同国は「好ましい金利環境で内外の金融市場への広範なアクセスを保っている。内外の投資家による強い需要もある」と主張した。
今後については国民の健康衛生に注力すると同時に、財政規律も重視していく意向を示した。