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手形不渡りを猶予、全銀協発表 中小の信用力低下防ぐ

(更新)

全国銀行協会は17日、新型コロナウイルスの感染拡大で資金繰りに苦しむ企業に対し、手形や小切手の不渡り処分を当面猶予する特別措置を始めたと正式発表した。通常、約束した期日までに資金を用意できない「不渡り」を出すと企業の信用力は著しく低下する。異例の対応で中小企業が一段と苦境に陥るのを防ぎ、再建時の足かせにならないようにする。

全国での手形の取引額は2019年に約184兆円あった。手形の電子化や振り込みによる支払いの拡大で減少傾向にある。それでも支払いを数カ月先に延ばせる手形は、手元資金が乏しい中小企業にとって重要な決済手段となっている。

企業が資金不足に陥り、支払期日までに手形を決済できない不渡りを起こすと、銀行の間で情報が共有される。半年以内に再び不渡りを起こすと、銀行はその企業との取引を停止する。この結果、企業は手形を振り出すことができなくなり、事実上の倒産に追い込まれる事例が多い。

今回の特別措置では、企業が約束通りに銀行口座に資金を用意できなかった際に、銀行が決済を仲介する手形交換所に対して新型コロナの影響で取引が滞っている旨を報告する。交換所は銀行間で情報共有する不渡り処分を出さないようにする。

全銀協は今回の特別措置を始めるにあたり、各地の手形交換所を運営する地方の銀行協会に通達を出した。

不渡りの猶予では企業側が手続きをする必要はない。ただし、今回の措置はあくまで「不渡り」処分を猶予するもので、手形を渡した先である相手企業への支払い義務は残る。売掛債権を回収できれなければ相手企業の資金繰りが悪化するため、不渡り猶予の措置とあわせて相手企業への資金繰り支援も欠かせない。

同様の特別措置は1995年の阪神大震災と11年の東日本大震災の際に発動した。東日本大震災では東北3県を中心に発生から半年間で22億円超の不渡り処分が猶予された。全国で経済活動が制約を受けている今回は、より幅広い企業に適用される公算が大きい。金融庁と日銀は16日、全銀協に対して特別措置を要請していた。

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