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新型コロナへのレムデシビル、臨床試験で有望な結果か

米ギリアドはレムデシビルの第3相臨床試験を2つ実施中だ=ロイター
日経バイオテク

米紙ボストン・グローブが立ち上げたヘルスケア・ライフサイエンス系専門メディアのSTAT(スタット)は16日、米ギリアド・サイエンシズが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中等度と重度の患者を対象に実施しているレムデシビルの臨床試験に参加している施設からの情報として、臨床試験でレムデシビルを投与された患者のほとんどで症状が回復し、1週間以内に退院したと報じた。

レムデシビルはギリアドがエボラ出血熱を対象に開発を進めていたもので、ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを直接阻害する作用を持つ核酸アナログ製剤。これまでに承認された国・地域は無い。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しては、ウイルスの活性を抑えることが試験管内の実験で明らかになっており、世界中で複数の臨床試験が実施されている。中でも、ギリアドは承認申請前の最終段階にあたる第3相臨床試験を2つ実施中だ。

うち1つは、COVID-19と診断された中等度の入院患者1600人を対象としたもの。これらの患者を標準療法に上乗せしてレムデシビルを5日間または10日間静脈注射で投与する群と、標準療法を受ける群に割り当て、11日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験だ。この第3相臨床試験には、日本を含めた世界各国・地域から169施設が参加しており、「現在も患者の組み入れを行っている」(ギリアド日本法人の広報担当者)

もう1つは、COVID-19と診断された重度の入院患者2400人を対象としたもの。これらの患者を標準療法に上乗せしてレムデシビルを5日間または10日間静脈注射で投与する群に割り付け、14日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験だ。この第3相臨床試験には、世界各国・地域から152施設が参加しているが、「既に患者の組み入れは終了している」(同)

記事によれば、STATは、これら2つの第3相臨床試験に参加しているシカゴの病院の会議の内容を入手。同病院では、100人以上の入院患者を臨床試験に組み入れ、大部分が重度だったものの、そのほとんどでレムデシビル投与後に症状が改善し、1週間以内に退院したといい、「COVID-19に初めて承認される治療薬になる可能性がある」と報じている。ただし、いずれの第3相臨床試験も対照群にプラセボ(偽薬)群を置いていない。

ギリアドは、2020年5月にも、2つの臨床試験に組み入れられた計1000人の患者について、「何らかの形でデータを公表する予定」(同)と説明しており、こうしたデータなどを踏まえて、承認申請の可否を判断するものとみられる。

(日経バイオテク 久保田文)

[日経バイオテクオンライン 2020年4月17日掲載]

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